ロハス・メディカルvol.118(2015年7月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年7月号です。


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はこやま・こうた●北海道大学医学部医学科4年生。2月に休学して、妊婦エプロンと一緒に世界一周放浪中。ベトナム中部のホイアンにて国でなぜ目標としていた活動をできなかったのか。ハノイに着いて分析しました。まず圧倒的に準備が足りませんでした。現地語である程度の内容を伝えることができないままでは、ただの変な格好をした日本人です。 そこで、ハノイではまず、日本人宿のオーナーに自己紹介や活動説明をベトナム語に詳しく翻訳してもらいました。視覚的にも分かりやすいようにイラストを描いて、特製のフリップを作ったのです。 また、妊婦体験という突飛なことに付き合ってくれる現地の男性というのは、どの地域であろうと少数派です。断られ続けても諦めないガッツ。中国で実施していた頃に一番足りなかったものでした。 さて。入念に準備を進めて、いよいよハノイの街に繰り出す日がやってきました。少し恥ずかしさと不安を覚えながら宿の門を出ると、向かいの食堂で中学生くらいの少年が開店準備をしています。 意を決し、声をかけてみました。じっくりフリップを読んでくれた後、なんと「いいよ」の一言が! 初めてだったので手際が悪かったのですが、店の準備で忙しい中、最後まで付き合ってくれました。「こんなに重いのか」というリアクションをしてくれて、それを見た時に少し泣きそうになりました。出発して11日目のことです。 「お母さんに優しい世界を創ってくる!」と意気込んで日本を出てきたくせに、まだ何もできていない。中国を旅している時にはそういった焦りが間違いなくありました。「やっと、僕の旅が始まったのだ」。お腹を壊していたのですが、心はとても晴れやかなのでした。 一度上手く行くと、後はとんとん拍子で進みます。ハノイから、フエ、ホイアン、ホーチミンと南下して行く中で合計30人に妊婦体験をしてもらいました。 訪れた街の中で、ホイアンはダントツで美しい街です。古くは朱印船貿易の寄港地ともなり、日本だけでなく中国、フランスの文化も息づく街並みは世界遺産に登録されています。夜には数えきれないほどの提灯が灯り、どこか懐かしい家屋と穏やかな人々がゲストを迎えてくれます。ふとした拍子に、小学生の頃の夏休みに戻ったと錯覚してしまうような、そんな不思議な街でした。 最後に。ベトナムではフォーが必ず、必ず美味しいです。安上がりな露店のフォーにも、ちょっと高級そうなレストランのフォーにも、それぞれの魅力があります。香草の独特の風味が大丈夫なら、いろんなお店にトライしてみてもよいかもしれません!第2回ベトナムでやっと初めて妊婦体験してもらう箱山昂汰LOHASMEDICALVOICE中4LOHASMEDICAL


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