ロハス・メディカルvol.118(2015年7月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年7月号です。


>> P.7

 鶏卵の中身の黄身(卵黄)と白身(卵白)が何か、なぜ分かれているのか、なんて普段は考えもしないですよね。 結論から言うと、卵黄は卵細胞、つまりヒトで言うところの卵子です。受精すると細胞分裂が始まって、やがてヒナになります。 卵白は、ヒトで言うと羊水みたいなもの。成分の90%が水で(鶏卵全体でも75%は水です)、残りは主にタンパク質です。卵黄を保護しながら、ヒナとなるまでに必要な水分も供給します。 ちなみに、溶き卵を作る時に白く残ってしまう紐状の固まりは「カラザ」といって、分類上は卵白の一部です。図の通り、殻の中でハンモックのように卵黄とつながっていて、卵黄の位置を卵白の真ん中に保ち、衝撃から守っています。タマゴって、そもそも何?鶏卵の構造胚卵黄卵白卵殻カラザ気室(卵殻表面)クチクラ層LOHASMEDICALVIEWためタンパク質を努めて摂った方がよいことは、寝たきり予防特集の4回目でも説明しました(2月号、WEBで電子書籍を読めます)。 また、卵黄の30%以上を占める脂質の中には、コリンという必須の栄養素が含まれています。 コリンは、細胞膜を構成するリン脂質の材料になる他、学習や記憶、覚醒、睡眠に関わる神経伝達物質であるアセチルコリンの材料となります。欠乏すると、肝臓で作られた脂肪を外へ送り出せなくなり脂肪肝や肝機能低下を招きます。また、コリンの働きを長期間妨げると記憶障害や認知症の発症率が上がるという報告もあります。 日本では摂取量の定めなど特にありませんが、米国農務省(FDA)は1日あたりの適量を成人男性550㎎、成人女性425㎎としています。M・Lサイズの鶏卵1個に150〜180㎎程度含まれているので、食卓に鶏卵を1個加えるだけで3分の1は摂れる計算です。 一方、コリンをサプリメントから摂取するのは要注意です。認知症や記憶障害、統合失調症への効果は噂としてありますが、実証されていません。むしろ過剰摂取の副作用として、発汗、体臭、胃腸の不調、嘔吐、下痢が知られています。7


<< | < | > | >>