ロハス・メディカルvol.118(2015年7月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年7月号です。


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 店頭に並んでいるものを見比べて、殻に色の付いているものの方が高級で栄養もありそうに思っているかもしれませんが、色の違いは、基本的に鶏の種類の違いによります。特別な餌で栄養を強化していない限り、中身に大きな違いはありません。 卵黄も同じことで、色の濃い方が栄養豊富に見えますが、実際には餌の色によるところが大きいのです。白玉でも赤玉でも栄養は一緒血中コレステロールが低下血中総コレステロール値の変化(MG/㎗)04週後卵白のタンパク質4G含む6G含む8G含む8週後0-5-10-15-20510LOHASMEDICALVIEW卵の成分には、まだ優れている点があります。 卵白は、「カロリーの少ないタンパク源」として一部アスリートの人たちの間でもてはやされてきたものの、その他の栄養価の面では長らく日陰の存在でした。それが近年、メタボ予防や改善につながる成分も含まれていることが分かってきました。 ラットの実験で、卵白のタンパク質が、筋肉での脂肪燃焼を増大させ内臓脂肪の蓄積を抑えることや、小腸でのコレステロールの吸収を抑えて血中レベルを下げることが明らかになっています。 ヒトでも、東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科の宇都宮一典主任教授の教室と食品会社キユーピーによる共同研究で、卵白のタンパメタボ予防や改善も鶏ク質を6Gあるいは8Gを含むドリンク剤を健康な男性88人に1日1回、8週間飲んでもらったところ、血中の総コレステロール値とLDL(悪玉)コレステロール値が低下しました。含有量4Gでは効果が見られませんでした。卵白のタンパク質6Gあるいは8Gというのは、ちょうどMサイズ以上の鶏卵1個分に相当します。 さらに、お腹周りの輪切りCT画像で内臓脂肪が100平方センチメートルを超えるメタボの男女に同じように飲んでもらったところ、コレステロール値が下がっただけでなく、内臓脂肪も明らかに減少しました。卵白でなく牛乳のタンパク質に成分を置き換えたドリンク剤では、効果は見られませんでした。8


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