ロハス・メディカルvol.118(2015年7月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年7月号です。


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 いわゆる卵アレルギーの原因も、卵白に多く含まれるタンパク質(コレステロールなどを下げるものとは別の種類)であることが分かっています。しかし、普通の人がたくさん食べてもアレルギーになることはありません。妊婦がたくさん食べると、生まれてくる子どもが卵アレルギーになる、なんていう話も、根拠薄弱な都市伝説です。 鶏卵は、殻にサルモネラ菌の付いていることがあります。加熱の足りない料理や手などから口に入ると、食中毒を発症し、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などで3〜4日、長ければ1週間以上苦しむことになります。通常は脱水に気をつけて症状を和らげる治療しかできません。下痢などを無理に止めると菌が体から出ていかず逆効果です。 サルモネラ菌は、低温ならゆっくりしか増えませんが、常温だと1日も経たず食中毒を起こす量になります。低温保管が肝心ですから、低温陳列されている商品を買い、帰ってきたらすぐにパックのまま、冷蔵庫の扉の内側でなく奥の棚にしまうようにしましょう。食べる際には、割った殻が中に入らないよう気をつけてください。 日本では中身まで汚染されていることはごく稀ですが、海外では生食を避けた方が無難です。 生産工程で汚染を防ぐ努力も続けられていますが、その努力にはコストがかかりますので、安売りに飛びつくだけでなく、信頼できる生産者の鶏卵を選んで努力を後押しすることも大事です。卵アレルギーの原因食中毒には気をつけて卵白のタンパク質入りドリンクで血中コレステロール値の変化(MG/㎗)04週後8週後0-5-10-15-20510LOHASMEDICALVIEW というわけで、鶏卵を1日に2個以上食べても、健康な人なら全く問題ありませんし、むしろ筋肉増強や生活習慣病予防につながる可能性もあるということになります。 ただ、遺伝的にコレステロール値が高くなりやすい家族性コレステロール血症の人や、そこまでいかなくても体質的にコレステロール値が上がりやすい人はいます。そういう人は要注意ですので、現在既に血中コレステロール値が高い人は、医師と相談して食べる量を決めてください。 また当然ながら、いくら卵白が内臓脂肪を減らす、コレステロールは問題なし、といっても、お腹周りが増えるほど食べたら体に毒です。 適度に上手に、毎日の食事に採り入れたいものですね。適度に食べよう


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