ロハス・メディカルvol.118(2015年7月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年7月号です。


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1978年イギリスで世界初の体外受精児誕生1983年日本国内初の体外受精児誕生オーストラリアで世界初の体外受精・凍結胚児誕生1989年日本で体外受精・凍結胚児誕生1992年世界初の顕微授精児誕生1995年日本初の顕微授精児誕生2010年ロバート・G・エドワーズ体外受精技術を確立した業績によりノーベル生理学・医学賞を受賞授精があります。 命を誕生させる行為である生殖補助医療には「自然の摂理に逆らう」側面がありますので、当然のことリスクを伴います。そのリスクの程度は、患者夫婦の背景や治療内容などにより大きく異なりますが、私たち携わる医師が念頭に置くべきことは、治療の安全性を最優先にした上でいかに妊娠率を上げるか、さらに流産率を下げるか、そして心身共に健康な赤ちゃんが生まれるかに尽きます。娠を希望する生殖年齢にある夫婦が、避妊することなく2年間性行為を試みても妊娠しない場合を不妊症と言い、専門施設における検査と治療が推奨されます。不妊に悩む夫婦は年々増加し、不妊治療を行ったことのある夫婦は5組に1組と言われています。 その治療は生殖補助医療(卵子や精子の形成、受精、初期発生を補助する医療技術)が主流になっており、代表的な手法に体外受精や顕微図1顕微授精表1生殖補助医療の歴史LOHASMEDICALVIEWくろだ・ゆかこ●1987年、慶應義塾大学医学部卒業。95年、同大学院卒業、医学博士。東京大学医科学研究所での研究生活を経て97年に慶應義塾大学産科医長。2000年に独立。注入される精子不妊治療で普及している顕微授精は「どのように」卵子に精子を刺すかを詳細に論議してきましたが、「どのような」精子を選ぶかについて明確な基準はありません。穿刺する精子の質が顕微授精児の異常に繋がっている可能性があります。改善策を提案します。黒田院長 黒田優佳子顕微授精に潜在リスク精子の品質管理が必要黒田優佳子【寄稿】妊


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