ロハス・メディカルvol.119(2015年8月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年8月号です。


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睡眠が5時間であったけれども、後半は7時間とれた場合も回答に困るかもしれません。もし昼寝を週に幾度かとるのであれば、その時間はどう扱えばよいでしょう。さらに、夜勤で働いている方では、夜勤明けにとる昼間の睡眠と日勤後にとる夜間の睡眠とでは、その長さが変わります。 以上を考えると、例えば「6時間台」と回答したとしても、実態に必ずしも即さない例もあり得ます。ただし、多数の参加者からデータを集めることで、そのようなズレに対応しているのが通例です。 米国で1979年に80万人こ1カ月間、あなたの1日の平均睡眠時間はどのくらいでしたか? この質問は厚生労働省の平成23年国民健康・栄養調査で使われた項目です。選択肢は5時間未満、5時間台、6時間台、7時間台、8時間台、9時間以上でした。皆さんはどのように回答されますか。 よく考えると、回答は難しくなります。平日は5〜6時間の睡眠で、休日はそれより2時間近く長く眠るというのはよくあるパターンです。そうなると、どの選択肢に当てはまるでしょう。 この1カ月の前半は忙しく査では睡眠7時間未満の割合は成人で71%に上りました。この値は諸外国の倍以上であり(米国29%、中国10%、韓国42%)、私たちの社会が深刻な状態にあることを知らせています。睡眠を十分にとれない事情があるのだとしたら、睡眠時間の確保に向けて、一日をデザインし直すことが大切になります。 一方、長い(例えば9時間以上の)睡眠の割合は、日本2%、米国9%、中国11%、韓国8%となっています。長眠が健康上望ましくないからといって、睡眠時間を削るのは要注意です。 もしかしたら、そもそも長めの睡眠を要する体質かもしれません。長い睡眠は内容(質)が良くない可能性もあります。であれば、睡眠の質を改善する取り組みが有効でしょう。肉体的あるいは精神的に不健康の状態がある場合には、その対処がまず必要です。第54回たかはし・まさや●1990年東京学芸大学教育学部卒業。以来、仕事のスケジュールと睡眠問題に関する研究に従事。2000年、米国ハーバード大学医学部留学。独立行政法人労働安全衛生総合研究所作業条件適応研究グループ・上席研究員高橋正也を対象に、2002年には110万人を対象に睡眠時間と死亡率との関連が明らかにされたことをきっかけに、睡眠の長さと健康に関する研究が多数行われています。 いずれも、およそ7時間の睡眠を境に、それより短くなるにつれて、また長くなるにつれて、病みがちであり、最終的には短命になりがちという結論がほぼ一貫して得られています。 短眠に伴う健康の低下は直感的にも分かりますし、おおよそのメカニズムも示されています。それに対して、長眠に伴ってなぜ健康が低下するかについてはほとんど解明されていません。 睡眠時間が健康に深く関わることがいくつもの研究から明らかになったのであれば、次に為すべきことは実生活での行動です。臨床家や研究者はそれを上手に支援しなければなりません。 平成23年国民健康・栄養調こLOHASMEDICALVOICE


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