ロハス・メディカルvol.119(2015年8月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年8月号です。


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高温多湿な夏は、人間が自力で温度調節するには向かないので、家の状態を整えた上で最低限の冷房を上手に使った方がよい、というお話です。 健康な成人男性に、温度91℃で湿度5〜18%のドライサウナと、温度59℃で湿度60%強のスチームサウナに入ってもらったところ、前者の方が収縮期血圧の上昇度合いは大きかったものの、直腸内温度や心拍数は後者の方が大きく上がっていました。体と精神へのストレス指数も後者の方が大きくなりました。論文は、後者の方が総合的に体への負担は大きい、と結論づけています。実験LOHASMEDICALVIEW冷房を使うと体が冷えて毒、と主張する人たちもいますが、高齢者が現在の日本の真夏に冷房を使わないのは自殺行為です。ただし、使い方に若干のコツは必要なので、それをお教えします。専任編集委員(米ミシガン大学大学院環境学修士) 堀米香奈子日本の夏、高齢者は冷房を使うべしまいそうです。対して日本の夏は、東京で平均最高気温は30℃を少し上回る程度、適度に雨も降ります。 数字だけ見たら、日本の夏の方がキツイなんて、信じられないという人も多いことでしょう。でも本当なんです。 体に負担となっているもの、それは単純な気温の高さではなく、ズバリ湿度です。 「アフリカを起源とするヒトは本来、暑さに強く出来ています。しかしそれは空気の乾燥が前提なのです」と話すのは、東京大学大学院工学系研究科の前真之准教授です。在の高齢者は、心頭滅却すれば火もまた涼し、という教育を受けて育ってきたため、痩せ我慢をしがちです。しかし実は日本の夏、エジプトの夏より体に負担になる、ってご存じですか? それを知ってもなお、痩せ我慢を続けますか? 気象庁のデータでは、ナイル川上流にあって巨大ダムで有名なエジプト・アスワンの夏は、平均最高気温が40℃を超え、雨は一滴も降らないカンカン照り。干物になってし現 「ヒトはサルよりずっと体毛が薄く、汗をかくことで体温を下げることができます」 ただし、汗をかいただけで体温が下がるわけではなく、乾かないといけません。水分は、蒸発する際に「気化熱」と呼ばれるエネルギーを必要とします。つまり汗が乾く際に体の表面から熱を奪っていくから体温は下がるのであって、乾かなければ汗をかくだけ損です。 ここで問題になるのが湿度。アスワンでは春から夏を通して平均16〜21%。空気が乾いているため、汗をかいてもす今回のお話は…問題は湿度の高さ


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