ロハス・メディカルvol.119(2015年8月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年8月号です。


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 「ビタミン」の本来の定義は、体の働きを助ける作用のある微量な有機化合物(三大栄養素は除く)で、体内で作れず食品から摂取する必要があるものを指します。 ところがビタミンDは、前項の図で示したように、食品から摂取する以外に、紫外線を浴びて皮膚で合成することもできます。体内で合成される生理活性物質のことを通常は「ホルモン」と呼びますので、ビタミンDの場合は、食べて補うこともできるホルモンということになるでしょうか。 日本では、医薬品で補えるのは活性型ビタミンD、サプリメントで補えるのは活性化前のビタミンDです。腎臓で活性化する能力が落ちているなら前者、活性化前の母集団が不足しているなら後者が適しています。医師にビタミンD製剤を処方されている場合、サプリメントを服用しても、あまり意味はありません。ビタミン?ホルモン?薬とサプリ 活性化していないビタミンDの血中濃度を測ること自体は簡単です。しかし残念ながら健康保険を使えませんし、健康診断の項目にも含まれないのが一般的。自費だと5千円ほどかかります。うーん、どうしようかと思いますよね? 実は活性型ビタミンDの濃度の方は保険で測れます。これは以前、働きの強い活性型ビタミンDの濃度だけ分かれば健康への影響の評価はできる、と考えられていた名残です。実際には活性型ビタミンDは充分だけど、その前段階のビタミンDが足りず不調という人もいます。転倒骨折が起きてからの医療費のことを考えるなら、保険適用してもいいような気がします。 ただ、血中濃度を測るかどうかは別にして、よほど大量のサプリメントを飲まない限り、活性化前のビタミンDが過剰になることはないので、積極的に屋外活動をし、ビタミンD豊富な食材摂取を心掛けてみてはいかがでしょうか。


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