ロハス・メディカルvol.119(2015年8月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年8月号です。


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力で移動できなくなると、寝たきりが近づいてきます。自力で移動するためには、「立つ」「歩く」といった日常の基本動作をスムーズに行えることが必要です。若い時にはどうってことなかった動作ですが、加齢と共に骨が脆くなり、関節がスムーズに動かなくなり、筋肉も衰え、何かに掴まらないと立ったり座ったりできなくなり、歩くのが遅くなります。 立ち上がる動作は、あらゆる動作の起点となります。特に重要な筋肉は、太ももの前側の筋肉です。脚を上げ、膝を伸ばす時に使われます。歩く時には、脚の後ろ側の筋肉も同時に使います。もちろん、これらの筋肉だけでなく、腹筋や背筋といった全身の筋肉もバランス良く動いているのですが、やはり下肢の筋力が重要になってきます。 歩く速さが若い時と比べて遅くなるのは、高齢者の歩行を研究した結果、歩幅が小さ13年に「ロコモ度テスト」として発表しています。 「ロコモ」は「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群)の略称。「ロコモティブ」は自分で動ける・移動できるという意味で、「ロコモ」は、骨・関節・筋肉・神経といった運動器の障害により移動機能の低下をきたし、介護が必要となりかねない状態を言います。 ロコモ度テストでは、①下肢の筋肉を調べる「立ち上がくなるためであると分かりました。加齢と共に歩調はさほど変化せず若い時と同じリズムで歩けるので、本人は歩くのが遅くなったことに意外と気づかないかもしれません。 自分の脚がどの程度衰えているか、簡単に分かる方法はないものでしょうか。実は、あります。日本整形外科学会が2 0 りテスト」、②歩幅を調べる「2ステップテスト」を行います。加えて、③身体の状態や生活状況を調べる「ロコモ25」という質問があり、この三つで移動機能低下の度合いを調べることができます。テストの内容は、学会公認の啓発公式サイト「ロコモ チャレンジ!」(HTTPS://LOCOMO‑JOA.JP/CHECK/TEST/)で紹介されていますので、ぜひご覧になってください。 テストを行ったら、次はその結果をどう判断するかが大切になってきます。例えば、下肢の筋肉を調べる①のテストでは、40㎝、30㎝、20㎝、10㎝の台に順に座り、両脚あるいは片脚で立ち上がることができなくなる時の台の高さで判定します。実施してみたら片脚で40㎝の台から立ち上がれなかったとしましょう。この結果をどう受け止めればよいのでしょうか。 これまでは、この判断基準が示されていませんでした。自LOHASMEDICALVIEW予防に役立てる薬剤師。科学の本の読み聞かせの会「ほんとほんと」主宰吉田のりまき都道府県が設置する教科書センター一覧は、文部科学省のサイトに掲載されています。HTTP://WWW.MEXT.GO.JP/A_MENU/SHOTOU/KYOUKASHO/CENTER.HTM教科書をご覧になりたい方へ第4回自分のロコモ度定期的にチェックを18LOHASMEDICAL


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