120号(2015年9月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年9月号です。


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食べこぼし・わずかのむせ 食事の時、食べこぼしたり、むせたりしませんか? よくあるという方、やはり危険性が高まっています。 以上3つの質問で、当てはまるかどうかを確認していただいたのが、タイトルにも出ている「オーラル・フレイル」です。 耳慣れない言葉ですね。フレイル(※)は、この特集をずっと読んでくださっている方なら、おなじみになってきたところだと思います。オーラルは英語で「口の」という意味ですから、直訳すれば「口のフレイル」です。一体どういうことでしょうか。 この言葉(概念)は、サルコペニアを簡単に判別できる「指輪っかテスト」(1月号参照。WEBで電子書籍を読めます)も考案した飯島勝矢・東京大学高齢社会総合研究機構准教授が、柏市の高齢者を調べた通称・柏スタディの結果(この研究の母集団は1 1 51人)に基づいて提唱したものです。 飯島准教授は、「この概念を作るにあたっては、特に、まだ健康な状態へ戻れる時に気づいてもらうこと、分かりやすいことをめざしました」と話します。 飯島准教授たちは、調査対象の高齢者を健常者群、サルコペニア予備群、サルコペニア群に3分類し、この3群では何が違うのかを解析しました。その結果、先ほど説明した口腔機能の3項目に関して、健常者群と予備群の間で、統計学的に有意な差が出てきました。元から口腔機能には着目していましたが、考えていた以上に口の些細な衰えが全身の衰えやサルコペニアに関係しているという結果が浮かび上がってきたのだそうです。 既に発表されている他の多くの論文を参照しても、口腔機能を指標として用いることは妥当と考えられました。 そこで、これら些細な衰えが口に出た段階を「オーラル・フレイル期」と名付け、本人の自覚と行動変容を促すことにしました。日本歯科医師会でも、この概念を広く知らしめるために国民運動を展開していくことになっています。口に差が出た7


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