120号(2015年9月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年9月号です。


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きなりで恐縮ですが、皆さん、手を緩く握ってみていただけますか。この握りこぶしが、大体私たちの心臓の大きさと同じです。今度はその握りこぶしを、脈拍くらいのテンポで1分間ぎゅっぎゅっと握ってみてください。 1分間でも結構疲れますよね。でも心臓は、一生休むことなく収縮を繰り返し、全身に血液を送り続けているのです。 心臓がこのように収縮を続けるためには、心臓を構成する筋肉(心筋)が元気でなければなりません。心筋の細胞全部にきちんと酸素を行き渡らせる必要があります。 ところで、心筋に酸素をどうやって運んでいるか、ご存じでしょうか。酸素を運ぶと言えば血管ですよね。心臓には心筋のための血管がちゃんとあります。それが冠動脈、しっかり学習します。特に、心臓が四つの部屋に分かれていて、全身↓大静脈↓右心房↓右心室↓肺動脈↓肺↓肺静脈↓左心房↓左心室↓大動脈↓全身と流れることはテストによく出るので、循環図をそのまま記憶している方も多いと思います。また、心臓には弁があって血液が逆流しないようになっていること、心臓内で電気刺激が生じていること、各心筋はその電気刺激に従ってテンポよく動いている冠状動脈とも言われます(図)。 心臓のつくりや働きについては、理科の授業でことも、皆さんよくご存じです。そのため、弁に不具合があって生じる弁膜症や、電気刺激のテンポが乱れることによる不整脈についても理解しやすいようです。 しかし最近では一部の高校保健の教科書に出てくるようになりましたが、これまで冠動脈については全く学習してこなかったので、その存在すら知らない人もいます。「心臓の血管が詰まる」ということを誤解していた人もいました。上述の循環経路に出てくる太い血管が詰まったと思い込んでしまったため、よっぽどのことだと考えていたらしいLOHASMEDICALVIEW薬剤師。科学の本の読み聞かせの会「ほんとほんと」主宰吉田のりまき都道府県が設置する教科書センター一覧は、文部科学省のサイトに掲載されています。HTTP://WWW.MEXT.GO.JP/A_MENU/SHOTOU/KYOUKASHO/CENTER.HTM教科書をご覧になりたい方へ第5回心臓に酸素運ぶ冠動脈その動脈硬化を防ごう間断なく酸素が必要心筋のための血管左冠動脈前下行枝左回旋枝右冠動脈かい せん しぜん か こう し右心房右心室左心房左心室


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