120号(2015年9月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年9月号です。


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LOHASMEDICALVIEW『謎解き超科学』(彩図社.2013)P.221より転載 ※多くの機関から複数の査読論文が発表されていると、なお良い。の制度によって市場の勢力図が激変するかもしれないと考えられているのが、サプリメントや健康食品です。 現状「科学的根拠もなく効果を謳うたうなどの不当表示が多く見られます。景品表示法違反ですが、取り締まりが追いついていません」と石川教授。信憑性の定かでない「愛用者の声」などを使って感情に訴える、科学っぽい手法で権威づけする(表)などの手法も横行しています。 困ったことに良心的な企業ほど、ラベル表示や広告を、医薬品医療機器等法(旧薬事法)に抵触しない範囲に納め、効果を謳わなかったので、悪貨が良貨を駆逐する状態にな毒になるも薬になるも消費者の使い方次第こルール違反ではないにせよ、騙された感が否めないところです。 申請に必要なデータは1件だけ、しかもメーカー自身が行った実験で構わないので、たまたま出た都合の良い結果っていたのです。 今後は、機能性表示食品制度を使わずに効果を謳っている商品は、誰が見ても怪しいと分かるようになります。 ただし、懸念材料もあります。 そもそも機能性表示食品制度を使っているからといって、絶対に効果があるのだということではありません。 安全性や機能性の点でトクホ申請を却下された商品であっても、機能性表示食品として届出・販売が可能で、実際にそういう商品が出現しています。しかも、消費者庁のサイトには、トクホ不合格のことが一言も書かれていません。で機能表示ができてしまいます。1件のデータで機能表示していたものが、その後に行われた実験で「実は効果がない」と判明したとしても、表示取りやめを促す仕組みもありません。効くとは限らない健康食品などの広告の権威づけ事例とチェックポイント広告の事例チェックポイント専門用語専門用語を装った造語ではないか。科学で一般的に使われている用語ならば、使用法は妥当か。専門家の写真専門家に白衣を着せるなどの科学権威の演出がないだろうか。専門家の肩書その人は本当に該当の分野の研究をしているのだろうか。大学と共同研究大学に研究資金を拠出すれば共同研究はできる。果たして、その研究で成果は出たのだろうか。特許取得製品の効果とは直接関係ない製造特許や周辺特許ではないか。学会発表ほとんどの学会では発表だけなら自由にできる。研究論文が「査読のある論文誌※」に掲載発表されているか。◯○賞受賞その賞はどのような性格の賞で、どのような審査が行われているのか。本当に商品の「効果」を評価した賞なのか。◯○医薬研究所の開発研究所や会社の名称は、重複がなければ原則自由につけられる。その団体の研究活動の実績はあるのか。グラフや表効果とは直接関係ないデータが、あたかも科学的に検討されているかのように表現されてはいないか。


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