120号(2015年9月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年9月号です。


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体調の悪さ123456789101112(日数)悪いサプリ摂取良い体調の自然変化LOHASMEDICALVIEW※うわべだけの科学。科学的方法に基づくようで実際にはそうではない方法で得られた、あるいは科学的知見だと間違って位置づけられた、一連の信念群。自然治癒力により日常的な疾病や怪我の多くは一定期間の後に回復する。ところが、偶然に矢印のタイミングでサプリメントを飲むと、効果がない場合でもあたかもサプリメントによって回復したように見え、「自分にはこのサプリが効いた」と思い込んで飲み続ける人が少なくない。 その程度のものなのに、怪しげな健康食品の広告には騙されないような理性的な人が、科学的根拠が提示されることで「盲信しやすくなるかもしれません」と石川教授は言います。「意外にも、疑似科学(※)にハマるのも理性的な人です。論理的な体裁を整えていると、自分の中で合理化し正当化しやすくなるようです」 適度な距離感で上手に付き合うには、「機能性表示食品だから」という先入観を意識的に排除することが大事です。先入観があると、良い結果ばかり目に付くように心理的効果が働き、悪循環になります。 客観的に判断するため、使用をあえて中断してみるのも有効です。体の不調をきっかけに摂取を始め間もなく改善した場合、ついその食品のお蔭と考えてしまうものですが、実際には自然治癒力により回復していることも多いのです(図)。あるいは花粉症のように、原因が自然に取り除かれて症状が治まる場合もあります。 依存的になっていると、やめた不安が本当に体調に影響するため、「健康なのは摂取のお蔭」という思い込みが生じる前に、中断して様子を見ます。商品説明が継続的な利用を薦めている場合も「間を置いてまた再開し、またしばらくしたらやめてみる、と繰り返しつつ、長い目で効果を評価するとよいでしょう」と石川教授。 機能性表示食品制度は、私たちが自律して使いこなすなら、健康に役立つ可能性のある食品を教えてくれます。同時に私たちの理性と成熟度を試される制度でもあります。「消費者庁のホームページでチェックすると、広く研究されていて機能性が信用できそうなものもある一方で、企業独自の少数の研究のみに基づいていて充分に信用できないものも多数目に付きます」と石川教授は言います。知恵を働かせて賢く使いたいですね。思い込みに注意を体調の自然変化とサプリメントを飲むタイミング


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