120号(2015年9月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年9月号です。


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おおにし・むつこ●医学博士。東京女子医科大学卒業。国立がんセンター、東京大学を経て2007年4月からボストンにて基礎研究に従事。LOHASMEDICALVIEW栄養素が不足すれば、働きに支障が出ても不思議はありませんし、補充によって状態が改善したという報告やその可能性は数多く示されています。 つまり、心の健康のため、栄養の影響は大きいかもしれない、というのが、現在主流の考え方です。 もっと極端な考え方をする研究者たちもいます。オーストラリア・メルボルン大学の精神科医であるジェローム博士をはじめとする国際栄養精神医学研究学会のメンバーは、今後は食事や栄養が、私たちの体と心の健康を決定する中心的な役割を担うと主張しています。今年3月には、うつ病など精神医学における食事や栄養の影響について、世界中の研究成果を「LANCET PSYCHIATRY」誌上で総括しました。の病は、世界中で大きな問題になっています。世界保健機関(WHO)によると、4・5億人が精神疾患や神経疾患に苦しんでおり、生涯で見れば4人に1人が経験します。特に、うつ病と不安障害が大きな割合を占めています。 精神障害は、平たく言えば「脳の障害」です。人間の脳や神経は非常に代謝が高く、多くのエネルギーを必要とします。また、細胞内や細胞間で情報伝達する際に、構造上も機能上も、アミノ酸や脂肪、ビタミン、ミネラル、微量元素などを必要としています。心第36回心の病は食で癒やせる内科医(ボストン在住)大西睦子個々よりパターン


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