120号(2015年9月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年9月号です。


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第49回どい・ゆうこ●1978年北海道医療大学薬学部卒。病院勤務後、93年(株)アインファーマシーズ入社、薬剤師研修を担当、2013年より現職。神戸薬科大学非常勤講師、北海道大学非常勤講師として、「薬剤師教育指導論」や「リスクマネージメント」を教えている。MBA取得後、2015年4月より経営学博士課程に進学。開き、8月大阪、9月東京、10月新潟、11月福岡と開催して、この病気に対応できる薬剤師を育成する試みです。 色々な書籍にも記載されている通り、この病気の最大の問題は、未診断患者が多く存在することです。病気の性質上、加齢による機能低下なのか、類似疾患なのか、認知症なのか、なかなか区別がつかず、それが発見を遅らせる一つの原因になっています。 一方、薬局スタッフは毎日、多くの方と接しています。薬の説明やお会計をする時、「おや? いつもと違うようだ」と気づくことがあります。知症の人、MCIと言われる予備群の人が急激に増え、65歳以上の4人に1人になっているようです。そんな中、今年1月に「新オレンジプラン」が政府から発表され、医師はもちろん、薬剤師も認知症の人に対応できるように、と明記されました。 私は大学院で「認知症の早期発見」を研究課題にしており、薬剤師がいかに貢献できるかを日々探っている状況です。また、保険薬局の薬剤師が認知症に特化した専門的な勉強をする「研修制度」を、この7月にスタートしました。まず札幌でワークショップを(株)アインファーマシーズ上席執行役員土居由有子「この気づき」が、未診断患者を発見することに貢献できるのでないかと考えています。 早期発見が大切なのは、治る認知症があることと、症状は似ているけれど認知症でない疾患があることで、適切な治療をできる可能性があるからです。 「来局間隔がめちゃくちゃである」、「処方箋をなくしてしまう」、「曜日や、いつものスタッフを忘れてしまう」、「薬の紛失がある」、「お会計ができない。小銭をカウントできない」など、薬局での小さな兆候を見つけることがすごく重要です。認知症の早期発見薬剤師にできること認 認知症と確定した方との関わりでも、薬剤師が役に立てることはあります。 病気という意識がないため薬を全く飲まなかったり、あるいは忘れてしまって飲んだり飲まなかったりという人が多いのです。 服用時点ごとにまとめ(一包化)飲み間違いがないようにしていますが、それだけでは充分でありません。薬局にも常備している服薬カレンダー(写真)を活用すれば、家族や介護をする人も分かりやすく飲むべき薬を把握できます。また、服用回数を極力減らすよう、1日1回への集約を医師へ提案したりもします。 薬剤師をどうぞご活用ください。服薬カレンダーLOHASMEDICALVOICE


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