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という構造になっており、だったら恨みすら買うかもしれない医療行為の検証を必死にやるより、適当に済ませた方が賢い、と保険者内の人間が考えたとしても責められない状況だったのです。 保健事業の方も、多くの保険者では、目的と根拠を持って積極的に手掛けるというよりは、外部業者が用意するメニューの中から何となく良さそうなものを選んでお茶を濁すに留まっていました。 しかし、このような「なあなあ」は許されなくなりそうです。今年の経済財政諮問会議で、外部からは妥当性が見えないまま膨れ上がっていく医療費と、それを許している厚労省に対して「民間有識者委員」の注文が相次ぎ、必死に防戦する塩崎恭久・厚労大臣が何度も繰り返し強調したのが、保険者の責任拡大での対応でした。議事要旨に以下の記述が残されています。●5月19日「保険者が予防あ経済財政諮問会議に厚労相が提出したスライドLOHASMEDICALVIEWるいは重症化予防、健康づくり等を通じた、本来の機能を発揮していくことが重要」●同26日「保険者の規模の改革も必要と考えている。例えば、今のインセンティブ改革の前倒しの中で、二次予防として、医療機関と連携した糖尿病性腎症の重症化予防事業を、広島県呉市の国保や健保組合の広島支部で行っているが、これを全国展開することで、効果額は平成32年度で約0・2兆円を見込んでいる」●6月10日「健康関連産業の活性化については、データヘルスをはじめとする、保険者などの多様な主体による健康づくりを促す仕組み、言わば国民運動を促進していきたい」 上の図は、塩崎大臣が5月19日の会議に提出した資料の1ページです。 厚労省が本気なのか、健保組合の中にOBが多数在籍していることを踏まえて怪しむ声もあります。しかし外圧は確実に強まっています。27LOHASMEDICAL