ロハス・メディカルvol.121(2015年10月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年10月号です。


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【広告】7月、名古屋市立大学病院で『がんに負けない あきらめないがん治療〜最先端の放射線治療と免疫治療〜』という市民向け講演会が開かれ、3人の医師によって、がんとの新しい闘い方が示されました。がん治療新時代最適ながん治療とは武器となる免疫・放射線治療んの告知を受けると提示される治療は、基本的に「手術」、「抗がん剤」、「放射線」の三大標準治療です。日本では、これまで「手術」ががん治療の中心で、近年は化学療法や放射線療法が進歩し、がんの種類やステージ(病期)によっては手術と変わらない効果が認められています。ただ、手術にしても抗がん剤にしても患者の肉体的負担は大きく、患者が全精力をかけてがんと闘うというものです。 この常に全力で闘うという発想を、時と場合に応じて変えた方が良いのでないか、との中では、①免疫攻撃部隊の司令官である樹状細胞ががん細胞の目印を認識、②その目印を兵隊である細胞傷害性T細胞に教えたうえで増殖を命令、③そのT細胞ががん細胞を攻撃する、という流れが起きます。しかしがん患者の体内では充分に機能しないことが、過去約50年の研究から分かってきており、この流れを何とか支えようとするのが免疫療法です。 杉山医師自身、免疫療法の臨床研究に携わったことがあり、その経験も踏まえ「免疫療法の場合は、抗がん剤と違ってすぐには効果が出ないこ最初に登壇した杉山保幸医師は問題提起しました。 杉山医師は、人間の体には自分に不都合なものを排除しようとする力(免疫)が備わっており、体の中で免疫が健全ならがんとの共存も不可能ではない、ことを説明しました。 がんに対して健康な人の体とを念頭に置いて、免疫の力が残っている治療の早期から中期の段階で始めた方が良いと考えます。がん再発の原因になっている幹細胞にも、免疫療法は効果を期待できます」と語りました。 続いて登壇した小林医師は、自由診療として樹状細胞ワクチン療法を提供しています。がん免疫の司令官である樹状細胞を体外で増やし、がんの目印を教え込んでから体内に戻す方法です。 同クリニックで使用している樹状細胞ワクチン療法は、東京大学医科学研究所で開発された技術・ノウハウが基礎となっている「バクセル」という技術で、国内9カ所の大杉山保幸岐阜市民病院副院長小林正学セレンクリニック名古屋院長が10標準治療に免疫プラス治療の早い段階で免疫療法を始める


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