ロハス・メディカルvol.121(2015年10月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年10月号です。


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提供:テラ株式会社 学で研究が進められており、今年6月までに全国で膵臓がんや大腸がん、肺がんなど約9500人の患者が治療を受けているそうです。樹状細胞に認識させる「がんの目印」は米国の学会誌に世界1位と2位にランキングされたW T 1とMUC1を使っており、ほぼすべてのがんをカバーできます。 小林医師は「抗がん剤によりがんを制御しつつ、免疫を強化させて効果を維持させるというのが戦略の一つと考えています」と樹状細胞ワクチン療法を標準治療と上手に組み合わせることで、より良い結果が期待できることを説明しました。膵臓がん患者にバクセルを使った信州大、長崎大、セレンクリニックの共同解析では、十分な栄養摂取も大事ということが分かったそうです。 さらに小林医師は、放射線照射との組み合わせにも言及し、放射線治療が体内の免疫を刺激して免疫を強化する作用もあり、放射線治療と樹状細胞ワクチン療法は相乗効果を狙える可能性があることについて説明しました。 放射線治療医として、最後に登壇した芝本医師は「一昔前まで放射線治療は一時しのぎという印象だったと思います。しかし、切らない放射線はこれから手術に代わって、がん治療の主役になっていく、とご理解いただけたらと思います」と述べました。 そして、定位照射や強度変調放射線治療(IMRT)、粒子線治療といった治療技術の進歩により、前立腺がん、1期の非小細胞肺がん、肝がん、頭頸部がん、食道がん、1期と2期の乳がんの治療成績が手術と同等になってきており、少なくともQOLは断然良いということを示しました。 さらに、化学療法が効かなくなった多発性転移性肝がんで、トモセラピーと樹状細胞療法を組み合わせた結果、通常なら余命が約3カ月のところ、28例で生存期間中央値が8・5カ月あったという事例も紹介し、「転移してしまったからといって、あきらめることなく治療を探せば、まだまだ方法はあります」と話を締めくくりました。芝本雄太名古屋市立大学教授(名古屋市立大学病院副院長)11手術に代わる放射線がんの進行程度と治療戦略 免疫との関係がんの進行の程度時間手術で取り切れた死をもたらす進行の度合いがんの診断手術で取り切れなかった化学療法で目には見えなくなるがんに対する免疫療法はがん治療の早期〜中期の段階で実施されることが望ましい。手術+免疫療法化学療法+免疫療法化学療法+免疫療法+放射線治療


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