ロハス・メディカルvol.122(2015年11月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年11月号です。


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実施に入り、2017年度までに第1期計画を完了させるということになっています。 つまり、健保組合に加入なさっている方であれば、あなたの組合で既に、データヘルス計画が始まっているということです。ご存じでしたか?そのうち具体的な働きかけとなって、身の周りに出現してくるはずです。 このデータヘルス計画が打ち出されてきた背景には、まずは種々のデータが電子化されて解析しやすい時代になったということがあります。と同時に、止まる気配のない医療費の伸びを抑制しないと、手厚い国民皆保険はもちろん社会自体がもたなくなるという切実な問題意識もあります。効果的な保健事業を実施することで、加入者の健康寿命を延ばし、結果として医療需要を抑制できれば、医療費抑制にも貢献できるだろうという考え方です。 当座、各健保組合は、自らLOHASMEDICALVIEW対効果の見合う保健事業を提供する、という一連の活動を指します。 ちなみに保健事業とは、加入者が「健康で充実した生活を過ごせるようにするためのサポート」のことで、具体的には健康診断に対する補助や禁煙指導などのことを指します。すっかり有名になったメタボ検診と保健指導も、保健事業の一部です。 昨年度中にすべての健保組合が計画を作成、今年度から013年6月に閣議決定された「日本再興戦略」は、すべての健康保険組合などに対して「データヘルス計画」の作成・公表・実施・評価を求めることを盛り込みました。 データヘルス計画とは、各保険者が、加入者の健康寿命を延ばすため、計画的に、自ら保持する加入者の診療報酬明細書(レセプト)や特定健診データを活用して働きかけるべき加入者を見つけ、費用前回説明した保険者の役割強化は、厚生労働省が思いつきで言っているわけではなく、既にその一里塚は年に閣議決定されています。が持っているデータを解析し、医療需要抑制に役立つであろうターゲット(疾病や加入者)を見つけ、そのターゲットを健康にできるであろう方策の仮説を立て、具体的な保健事業の形に落とし込み、一定期間の実施の後に仮説を検証し、再び計画を立てるということになります。さらっと書きましたが、相当の知見と能力を必要とし、大変な業務量になることは間違いありません。結果が出るまでに相当の時間も必要です。それだけの意思と能力を持った健保組合が果たしていくつあるのかという批判も出そうで、そのことを意識してか、厚労省は、外部業者を使って構わないとも、無理せず身の丈に合った実施で構わないとも言っています。 さて、この一連の流れ、一見もっともらしく、やらないよりマシとは考えられるので第4回[集中連載]データヘルス計画ひっそり始まる6なぜ保健事業


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