ロハス・メディカルvol.122(2015年11月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年11月号です。


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東京医科大学公衆衛生学分野教授目的地まで遠回り悪は、土地の用途の混在度が高い、つまり住居と商業地やオフィス、学校など様々な土地の利用形態が混在しているほど歩きやすいということです。③は、目的地まで遠回りしないでも行ける道があればあるほど、歩きやすいということです(図)。 何か別の目的があって歩くこと、その目的地への道が便利なこと、でなければ億劫になってしまって習慣づかないのは当然ですから、言われてみれば納得という方も多いと思います。 で、3要素を眺めていただくと気づくと思いますが、要するに都市部に住んでいると自然に歩けてしまう一方、田舎に住んでいると歩くのが難しいということになります。そして、都市の規模が大きくなればなるほど、日常の歩数は増える傾向にあるそうです。 あなたの住環境、いかがでしょうか? もし歩きやすい街であるなら、折角の環境を活かさないと勿体ないです。どんどん歩きましょう。 歩きづらい街なら、意識的に定期的な運動を生活に組み込まないと、フレイル※から寝たきりへと続く悪循環に入ってしまう可能性があります。何か運動を始めましょう。 さらに一歩踏み込み、歩きやすい街に近づくよう、行政や議員に対して整備を要望していくという手もあります。交通事故を心配せず歩ける道があるとか、歩いていて楽しい道があるといったことは、散歩を増やすのには効果があるようです。※フレイル:高齢になって筋力や活力が衰えた段階。高齢者の多くは、フレイルの段階を経て、要介護状態になるので、早期発見をして対処することが大切と言われています。英語ではFRAILTY(フレイルティ)ですが、日本老年医学会では「フレイル」と呼ぶことを提唱しています。井上茂


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