ロハス・メディカルvol.122(2015年11月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年11月号です。


>> P.12

肥満防止には、1日1回1時間の運動より、軽くでいいから頻繁に動いて脂肪を効率良く燃やそう。「運動開始から20分経たないと脂肪が燃えない」というのはデマ、という話です。肥満予防には、1日1回集中的に運動するより、軽めでもこまめに何度も運動した方がよいらしいです。専任編集委員(米ミシガン大学大学院環境学修士) 堀米香奈子肥満予防にはジム通いより掃除LOHASMEDICALVIEWのは要するに、食べ過ぎです。食べ過ぎると、エネルギー利用の優先順位が低い脂肪が使われず残り、体脂肪に変えられます。 食べ過ぎてしまう理由はストレスなど色々ありますが、突き詰めると、「エネルギーは足りているのに、お腹が空いたと感じる」からです。 カギは、血糖値が低くなると、栄養補給の合図として空腹を感じるように出来ている人体の仕組みです。どんなに脂肪が溜まっていても、血糖値が下がれば、お腹は空くのです。満予防のためには、体に脂肪を溜めない、溜まる前に燃やす、というのが理想です。しかし現実には、ヒトの体はそう都合良く出来てはいません。糖質は摂取してすぐエネルギーとして利用するよう生理的な反応が起こるのに対し、脂肪はエネルギー利用の優先順位が低く、このため糖質に比べ溜まりやすいと言えます。 それでも一日トータルで、体に入って来たエネルギーと消費したエネルギーが同じなら、つまり収支がゼロなら、太ることはありません。太る肥 以上から苦痛少なく肥満予防するには、食事から摂取した脂肪や蓄積した脂肪を燃やすのだけれど、その時に糖はできる限り使わず血糖値を下げ過ぎないようにすべき、と言えます。言葉を換えると、体内に存在する糖と脂質のうち、できるだけ脂質を燃やすべきということです。実は、え? と思うほど手軽な方法で、それが可能だと分かりました。 その方法を説明する前に、基本的なことを押さえます。 脂質は、3個の脂肪酸がグリセリンという物質で束ねられた「中性脂肪」(厳密にはトリグリセリド)という形で、筋肉や脂肪細胞に蓄えられます。通常、中性脂肪の「原料」は、主に食事中の脂肪です。 一方の糖は、筋肉や脳などで消費されると同時に、グリコーゲンに形を変えられて筋肉や肝臓に蓄えられます。ただ、溜められる量には上限があり、糖質を毎日大量に摂っていると、二つの現象が起きます。 まず、糖を原料とした中性脂肪の合成です。「だから糖今回のお話は…糖質は太る


<< | < | > | >>