ロハス・メディカルvol.122(2015年11月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年11月号です。


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第51回どい・ゆうこ●1978年北海道医療大学薬学部卒。病院勤務後、93年(株)アインファーマシーズ入社、薬剤師研修を担当、2013年より現職。神戸薬科大学非常勤講師、北海道大学非常勤講師として、「薬剤師教育指導論」や「リスクマネージメント」を教えている。MBA取得後、2015年4月より経営学博士課程に進学。な歯を受け継ぐと、凸凹歯並びの八重歯になります。反対に弥生人の広い顎と縄文人の小さい歯を受け継ぐと、隙っ歯になるのです。 しかも近年、歯並びの悪い若者が増えています。顎骨が成長、変化する幼少期に柔らかいものばかり食べていて顎が発達せず、狭い顎の中で歯列に納まりきれない歯が出てくるのです。また、食事以外にも歯並びに影響を与える習慣があります。アレルギー性鼻炎や扁桃腺などにより、口で呼吸する癖がついてしまうと、歯並びが悪くなります。 歯並びが悪いと、どのよう国人で日本人の歯並びが良いと感じている人はわずか4%で、悪いと回答した人が76%もいたという調査報告がありました。 日本人は元々、民族的に歯並びに問題を抱えています。 日本列島に先住していた縄文人は、眉毛が濃く、二重瞼で、えらが張り、彫りの深い顔立ちで歯は小さい、という特徴がありました。そこへ、朝鮮半島から弥生人が渡ってきました。弥生人は、顔は平坦、一重瞼で唇薄く、毛が少なく、大きな歯が特徴です。 この2民族が混血して、縄文人の狭い顎と弥生人の大き(株)アインファーマシーズ上席執行役員土居由有子な影響があるでしょうか。 どんなに丁寧に磨いても20%の歯垢(プラーク)が残ると言われています。歯並びが悪いと歯垢の残りが多くなり、虫歯の原因になります。当然噛み合わせも悪く、長年噛み合わせの悪い状態でいると一定の歯に大きな負担がかかって歯を失う可能性が高くなります。また、左右の顔のバランスも悪くなります。 日本では、痛みが出たり、詰め物が外れたりしてから、治療を受けることがほとんどです。しかし北欧では、虫歯も歯周病もあまり進行しないうちに治療するため、定期健歯並び悪い日本人よく噛み、よくケア外診で早く見つけることを推奨しています。定期検診をして虫歯や歯周病を見つけることの他に歯垢・歯石の除去をして、より長く自分の歯を残すことが当たり前になっています。定期検診が浸透すると、歯並びや噛み合わせの対策も子供の頃から取られます。 対策として、まずは年齢に関係なくおいしいものをバランス良く、よく噛んで食べましょう。最近ではよく噛むことは、脳の血流を良くし、脳の発達を促進することが言われています。高齢者の認知症にも影響を及ぼすことも研究で報告されるようになってきています。 健康寿命を長く快適に保つためにも、口腔内ヘルスケアは重要です。お薬を飲む際にも入れ歯の問題や嚥下の問題は、付きまといます。その意味では、薬剤師も大いに関係者なので、積極的に口腔内ケアを勧める対応をしていきたいと考えています。LOHASMEDICALVOICE


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