ロハス・メディカルvol.123(2015年12月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年12月号です。


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谷村新司さん「認知症にやさしい社会を」を合言葉に活動するNPO法人ハート・リング運動。お問い合わせは、INFO@HEARTRING.OR.JP か、03-3582-8100 まで。LOHASMEDICALVOICE第24回います。一つのメロディーに言葉が合わさった時に、それは「歌」という不思議な力を持ったものに変化して、その歌は聴いた瞬間にすべての記憶を甦らせてくれるのです。だからこそ言葉を「紡つむぐ」人には「心がけ」が必要だと感じています。歌を聴いてくれる人がどう感じるか、を思い描きながら歌にしてゆく、それが創る人の礼儀だと思っています。 「ありがとう」は、有難いことへの感謝の気持ち、「いただきます」は糧になってくれる食物たちのいのちをいただくことへの感謝の気持ちをれてしまうものは忘れていい」 それは常々私が思っていることです。歳を重ねると共に人は自然にそうなってゆく、それでいいと思うのです。身体が万全だったあの頃と決して比べない、それが大切な心の持ち方だと思います。 いろんなことを忘れてゆく中で決して消えないものがあります。それは「歌」です。子どもの頃に覚えた言葉とメロディーは「歌」となって細胞の中に生き続けているのです。 私は今、東京音楽大学で若い生徒たちに、「音楽と言葉の力」を伝える授業を続けてハート・リング運動 専務理事早田雅美込めた言葉です。大切な言葉が持っているやさしい響きには「誰かを幸せにする力」が隠されています。 そして音もまた大切な役割を持っています。「ソの音」は心臓を司り、「ラの音」は人間の声の音です。そして太陽と心臓は共に「ソの音」、宇宙と声は共に「ラの音」とつながっています。太陽と星々はソとラで出来ていて、それを「ソラ」=「空」と表現しているのは日本語だけなのです。 美しい日本の言葉と美しいメロディーから生まれる日本語の「歌」には特別な力が宿っています。大好きだった歌に包まれているだけで、人は皆「幸せ」を感じることができるんですよね。声を合わせて一緒に歌うと、きっと不思議なことが起きて、とても素敵な時間になることでしょう。 かつて車椅子の母の背中を見ながら、よく一緒に歌いました。歌っている時の母はいつも穏やかな表情をしていました。それは子どもの頃に見ていた優しい母の表情そのものでした。 大切な人が好きだった歌を一緒に口ずさんでみませんか。♡  12月6日に開催する予定の認知症フォーラムで、シンガーソングライターの谷村詩織さんが、「ハート・リング運動」応援ライブを行ってくださる予定です。今回、お父様の谷村新司さんからも、認知症やその不安を抱える皆さんへの応援のメッセージをいただくことができました。谷村新司さんから言葉の贈り物「忘れないもの」「忘27


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