ロハス・メディカルvol.124(2016年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年1月号です。


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37.036.836.636.436.236.09:3013:3017:3021:301:305:309:30(℃)時刻時刻平均体温プロセスSレベル(睡眠物質量)6:0023:006:0023:006:00ピーク体温が低下若者高齢者体温変化が前倒しに睡眠睡眠プロセスCプロセスSプロセスS(徹夜した場合)眠気眠気出典:A.A.BORBELY:HUMANNEUROBIOL.1,195(1982)より編集部にて作成出典:RICHARDSONGSETAL:SLEEP.5,SUPPL2(1982)より編集部にて作成とは関係ありません。果たす機能が大きく異なります。ざっくり言えば、ノンレム睡眠は脳をしっかり休ませる睡眠、レム睡眠は脳を働かせながら身体を休める睡眠です。両者の違いは、睡眠中の脳波や眼球の動きで判別されます。 ノンレム睡眠は眠れば必ず現れるもので、浅い〜深いの段階があります。通常、人は夜眠りにつくと、深部体温の急激な低下とともに、一気に最も深いノンレム睡眠に入ります。この間、疲労を回復させる成長ホルモンやストレス耐性を増加させるプロラクチンといったホルモンも分泌されて、脳や体の修復工事が行われると考えられています。 要するに、この深いノンレム睡眠がプロセスSの睡眠物質解消に大きな役割を果たすわけです。 ところが歳をとると恒常性維持機構が衰え、入眠直後の深いノンレム睡眠が大幅に消失します。眠りが浅く、目が覚めやすくなり、熟睡感も得られにくくなります。 次にプロセスCの説明です。覚醒度に約24時間周期がある(概日リズムと言います)現象を示します。平たく言うと、して真夜中にピークを迎え、その後また急速に減って朝方にほぼゼロになります。深部体温は、夜にピークを迎えた後、メラトニンの作用で急降下して明け方前に最も低くなります。メラトニン分泌がゼロになって深部体温が上がると、覚醒が始まります。 概日リズムは、遺伝子発現のレベルから存在し、人間に限らず生物の多くが生まれつき持っています。これら概日リズムを生み出す機構を、一般に「体内時計」と呼びます。この体内時計は、加齢と共に前倒しになることが知られています。例えば深部体温は、若者に比べて高齢者はピークの出現が数時間早くなり、ピークも低くなります(図2)。 この体内時計の前倒しによって、歳をとると早朝に目が覚めてしまい、以後寝つけなくなると考えられています。昼間は目がパッチリ覚めていて、夜になると疲れていなくても眠くなる、あれのことです。 覚醒度が変化する裏で、メラトニンという睡眠を誘発するホルモンの分泌と、深部体温が、約24時間周期で変化しています。具体的に言うと、メラトニン分泌は昼間はほぼゼロで、夜になると急上昇3体内時計のズレ[図1]:眠気の2プロセスモデル[図2]加齢による体温推移の変化


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