ロハス・メディカルvol.124(2016年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年1月号です。


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 概日リズムが前倒しになって朝早くに目が覚めてしまう分、早く寝れば問題ないでしょ、とも思いますよね。 もちろん、早く眠くなるから早く床に就く、というのは構いません。ですが、無理に早く寝ようとするのだったら、お勧めできません。かえって寝つきが悪くなります。ある調査では、「眠らなくちゃ」という強迫観念や「眠れないのでは」という不安が頭を冴えさせてしまい、不眠をもたらしかねないと示唆されています。眠くなったら床に就き、のんびりしているのが良さそうです。眠ろうと頑張らない覚醒レム睡眠ごく浅いノンレム睡眠浅いノンレム睡眠深いノンレム睡眠覚醒レム睡眠ごく浅いノンレム睡眠浅いノンレム睡眠深いノンレム睡眠若者高齢者22:0022:0022:001:000:001:002:003:00める睡眠制限療法が実践されています。 守田助教も、「早く目が覚めても日中に過剰な眠気がなければ、睡眠時間としては足りていると考えて大丈夫です。もし足りなければ、午後2時くらいに30分以内で昼寝するのがお勧めです。それ以上長くなると深い睡眠に入ってしまい、夜寝つけなくなって、余計に概日リズムとのズレを生じさせてしまいます」とアドバイスします。 午後2時というのは、P3の図2で、深部体温が日中、一瞬下降するタイミングに当たります。その時間帯にごく軽く睡眠をとるのであれば、スッキリして再び活動的になれますし、夜の睡眠にも大きな影響が出にくいというわけです。 概日リズムと調和した生活のためにできること、次回以降もご紹介していきます。出典:三島和夫:「老年者の睡眠」、『眠りのバイオロジー』(1998)5[図]若者と高齢者の睡眠経過の比較


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