ロハス・メディカルvol.124(2016年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年1月号です。


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気圧の変化自律神経のストレス反応慢性痛の悪化突然死の増加心筋梗塞の悪化うつ病の悪化めまいの悪化内耳(気圧センサー)LOHASMEDICALVIEWせんが、もっともらしい話なので、社会に広まってしまったようです。 また、低気圧だと副交感神経が優位になる一方、肥満細胞から炎症物質のヒスタミンが過剰に放出されて交感神経まで活発化させた結果、自律神経のバランスが崩れて体調不良をひき起こす、といった説もあるようですが、こちらも船久保氏は「科学的な根拠はありません」と否定します。 近年、気象病の真犯人と突き止められたのは、気圧や気温の「変化」です。気圧や気温が上がったり下がったり変化する際に交感神経を刺激して過剰に働かせること、その結果として痛みを感じやすくなることなどが分かってきました。一方、気圧が低いまま変化せずにいる間は、痛みが治まってくることも実験で確認されています(次頁コラム)。気圧の変化を感じ取るセンサーは内耳にあります(下図参照)。 気圧や温度の影響は健康な人も受けますが、自律神経の調節がうまくいっているので、体の症状として現れずに済んでいるだけというのが、本当のところのようです。 「関節痛などの慢性疾患では、普段から自覚はなくても交感神経がかすかに刺激されていたり、高ぶりやすい状況にあったりして、それが気圧や温度の変化で表に出てくると考えられます」と舟久保氏は言います。7気象病のメカニズム


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