ロハス・メディカルvol.124(2016年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年1月号です。


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嘔吐物は布やペーパータオルなどで挟み込むように拡げずに拭き取り、ごみ袋に入れ必ず密閉してください。②では、拭き取った後は次亜塩素酸ナトリウム液で拭いてください。次亜塩素酸ナトリウム液は、台所にある塩素系漂白剤を利用して図のように作ることができます(次亜塩素酸ナトリウムが使えない場所には使用しないでください)。なぜ、消毒用エタノールを使わないのですかとよく訊かれるのですが、ノロウイルスは殻とRNAだけで、殻の周りにエンベロープという膜がないため、アルコールが効きません。インフルエンザウイルスには、この膜があり、消毒用アルコールが膜にダメージを与えるのでウイルスを不活化することができます。 ①のごみ袋の底にあらかじめ次塩素酸ナトリウム液を浸した布やペーパータオルを入れておき、密閉前にも液を噴霧しておくとよいでしょう。ただし、この液は、皮膚には刺激が強いので、手の消毒には使用しないでください。手は石鹸で十分に洗ってください。換気も大事です。 また、③も重要です。ノロウイルスは乾燥にも強いのです。部屋の空気中に何日も漂います。残っていたノロウイルスが乾燥し、室内の空気中に漂った後、それがやがて床に落ちてきます。漂うウイルスを吸ってしまう可能性がありますし、掃除機の排気口からまき散らしてしまう可能性もあります。 さらに、もう一つあまり知られていないことがあります。め無意識に行えます。しかし、一般の人たちは慌ててしまって、気がつかないうちに汚れた面に触れてしまいがちです。今回紹介する本『ノロに見舞われて』の巻末にも、2次感染を防ぐための手袋やマスクの外し方、嘔吐物の処理の方法が詳しく掲載されていますので、ご一読ください。 このように役立つ情報が本や自治体のサイトに多々ありますので、日頃から留意して目を通しておき、いざという時に適切に迅速に対処することで、新型ノロウイルスの感染が拡がらないよう努めたいものです。LOHASMEDICALVIEW毎回、本文と関係のある本をご紹介していきます。今村顕史監修西東社 2015年宮路重和著講談社エディトリアル 2015年もっと知りたい方に図解知っておくべき感染症33原因・症状・予防法ノロに見舞われてノロウィルスに立ち向かった医療現場壮絶な35日間の記録使い捨てのプラスチック手袋の外し方です。片方を外した後、もう片方の汚れた面を触らないように外す必要があります。残った方の手袋の中に手を突っ込んでひっくり返しながら外すのですが、医療関係者は慣れているた13消毒液の作り方(嘔吐物・便が付着した床用)家庭用塩素系漂白剤をペットボトルのキャップ(5ML)に2杯水を加え、500MLにする消毒液


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