ロハス・メディカルvol.125(2016年2月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年2月号です。


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恒常性維持機構が衰え、体内時計が前倒しになることから、眠りが浅く朝早く目が覚めるようになります。前回、その対策として、できるだけ各種の概日リズム(体内時計によって調節される24時間周期の生体リズム)に生活リズムを合わせることで調和を保ち、概日リズムにメリハリをつけをとると、体内の状態を一定に保とうとする歳快眠のための心がけ、一番大事なのは、朝日をしっかり浴びること。そして夜の光量と温度の管理です。2光と温度を味方にする歳をとっても快眠るよう心がけることをご提案しました。引き続き、生活の中で気をつけるべきポイント、今回は光と温度です。 体内時計は、厳密に24時間周期を刻んでいるわけではありません。最近広く支持を集めているのは、1999年に発表された「24時間11分」程度という実験結果で、個人差はあるとしても、一般に24時間よりわずかに長めと考えられています。何もしないで放っておくと、生活のリズムと段々ズレてきます。 私たちの体は、そのズレを毎日様々な手段で無意識にリセットしています。 「リセット手段として最も重要なのが光です」と話すのは、東京医科大学の守田優子助教。体内時計は体の各組織に存在しますが、中枢は、脳の視交叉上核と呼ばれる部位です。動物実験でそこを破壊すると、概日リズムに障害を起こすことが確認されています。 「それが光によって調整されることが分かっています」 視交叉上核は、その名の通り、視神経が脳の中で左右に交差する部位の真上にあります。そして、その神経細胞には、体内時計を司る時計遺伝子が存在します。つまり目から入ってきた光の刺激を真っ先に受け取る部分に、体内時計の司令塔があるのです。 視交叉上核の時計遺伝子は通常、昼に発現が高く、夜はほとんど発現しません。それが光を浴びると活性化します。人間の体内時計は24時間より長いため、外界が朝になっても、まだ時計遺伝子は活性化しないというタイミングがど6体内時計をリセット


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