ロハス・メディカルvol.125(2016年2月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年2月号です。


>> P.7

-0.20.00.20.40.60.81.0110100100010000光の強さ(ルクス)メラトニンの分泌抑制30ルクス=ロウソク2本分 LED電球やスマートフォン、パソコンから多く発せられる青色の光、通称「ブルーライト」は、眼を疲れさせ、寝つきを悪くすることが明らかになっています。 青系の光は、赤系の光よりエネルギーが強いためです。実験でも、エネルギーの強い光を浴びた方が、メラトニン分泌は抑制されることが確認されています。青色光は特に強い出典:JAMIEMZEITZERETAL,JPHYSIOL.;526(PT3),2000:695–702うしてもあるのですが、光刺激でスイッチが入るのです。 すると、眠気を誘うホルモンであるメラトニンも、14〜16時間後に再び分泌するようセットされます。  ヒトをはじめとする哺乳類で、光の刺激を外から取り入れる器官は眼球だけです。そのため、「例えば網膜の機能やその他視神経の機能に障害があると、概日リズム障害を抱えやすくなります。視交叉上核まで光情報を伝えることができないからと言われます」と守田助教。実際、全盲の人の多くは、一定の時刻に入眠・起床できず睡眠時間帯が毎日30〜60分ずつ遅れる「非24時間睡眠覚醒症候群」を抱えているとされます。 同様に、視覚が健常であっても光の刺激が充分に与えられない環境では、体内時計のリセットは難しくなります。 刺激として最も手軽かつ最強なのが太陽の光です。太陽の光は、午前10時の段階で、晴れた日だと明るめの室内照明の50倍以上、曇りの日でも20倍以上の明るさがあります。ですから、光刺激を充分に目から入れるためには、朝、太陽の光に当たることが重要です。 お勧めは、朝の散歩やウォーキングでしっかり朝日を浴びること。外出できない場合も、まずカーテンを開けて朝日を部屋に取り込みましょう。 逆に、夜7〜8時以降は、 また、深夜営業のスーパーマーケットやコンビニの照明は明るいため、眠れないから気晴らしに、と出かけるのは逆効果です。 寝ている間の寝室も暗くしておきましょう。枕元でロウソク2本分の明かりが顔を照らしているとしたら、明る過ぎです。理想は、障子やカーテン越しの月明かり程度。夜中にトイレに起きた時のために、足元や離れた場所に豆電球1つ分くらいの照明がある分には構いません。照明を落とし気味にするとよいようです。スマホやパソコンも見ない方がよいでしょう(コラム参照)。この時間帯に強い光を浴びると、時計遺伝子が変なタイミングで活性化してしまい、メラトニンの分泌も低下します(図)。7朝日を浴びよう夜は暗くしよう光によるメラトニン分泌抑制


<< | < | > | >>