ロハス・メディカルvol.125(2016年2月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年2月号です。


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おおにし・むつこ●医学博士。東京女子医科大学卒業。国立がんセンター、東京大学を経て2007年4月からボストンにて基礎研究に従事。LOHASMEDICALVIEW2008年のAJCNで報告され、7万回もダウンロードされています。 今回のサミットの主な目的の一つは、体重1㎏当たり1日0・8Gとされてきた米国医学研究所推奨の「タンパク質の摂取基準」の再検証にありました。この基準は、病気にならないための必要最低限の量なのですが、人々に自分がタンパク質を摂り過ぎていると誤解させてしまっていました。種類を考慮する必要はないのかとか、検討しなければならないことが山ほどあるのです。 ロドリゲス教授は、報告の中で、今後の参考になるであろう研究をいくつか紹介しています。 まず、体重1㎏当たり1日1・2〜1・6Gの摂取となる高タンパク食だと、通常の食事(タンパク質を含む高炭水化物食)と比べて体重が増えず、短期的経過ながら、食欲が抑えられ、心血管代謝リスク因子も改善したそうです。 また、こちらも短期間の調査ながら、体重1㎏当たり1日1〜1.2Gの摂取にすると、筋肉合成や筋肉の量が増え、その強度と機能も向上するという研究があります。 一方、ロドリゲス教授が触れていない、気になる研究もあります。米国在住の50歳以上の男女6381人を、▽低タンパク質群群タンパク質からのカロリー摂取が10%未満、▽中タンパク質群群タンパク サミットで新たな基準が出されていれば、それが冒頭の問いに対して大いに参考になったはずです。 しかし残念ながら、研究が途上ということで、論争の決着はつきませんでした。基準を定めるためには、どのような単位(1日体重当たり摂取量や1日のエネルギー摂取量に対する割合など)で示すべきなのかとか、タンパク質の康志向の人々の間で近年、低糖質・低脂肪・高タンパクの食事が支持を集めています。ところで、適切な「高タンパク」の量を、ご存じでしょうか。 米国コネチカット大学のナンシー・ロドリゲス教授が「米国臨床栄養学雑誌(A J CN)」2015年4月号に「プロテイン・サミット2・0」の議論の内容を投稿したので、それを参考に考えてみます。 「プロテイン・サミット」なんて耳慣れないけれど、という人も多いかもしれません。でも、今や当たり前のように言われているタンパク質についての見解、例えば、タンパク質を多く摂取することが質の高い食生活や健康的な体重管理、体組成の改善、筋肉量の維持や増加につながる、といった議論が高まったのも、2007年の初回プロテイン・サミットがきっかけでした。初回サミットの内容は健第41回タンパク質摂取適量は、どの位内科医(ボストン在住)大西睦子結論は出ず14


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