ロハス・メディカルvol.125(2016年2月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年2月号です。


>> P.22

森田院長(左)と菱川センター長【広告】難治のすい臓がん治療について、11月に東京国際フォーラムでテラ株式会社主催のセミナーが開かれました。陽子線治療を提供しているメディポリス国際陽子線治療センターの菱川良夫センター長と、免疫療法を提供しているセレンクリニック東京の森田祐二院長が登壇しました。あきらめないすい臓がん治療 一人目に登壇した菱川センター長は、「すい臓は胃の裏側にあって、がんも初期の段階では自覚症状が少なく、通常の健診などでは見つかりにくいのが特徴です。見つかった時には進行や転移をしている場合が多く、実に8割の方が手術もできない状態とされます」と説明しました。また、早くから血管の中に入り込むのも特徴で「血管の中では抗がん剤がとてもよく効くので、飛び地を作らせないため抗がん剤治療を受けることが絶対に必要です。その上で局所にある腫瘍をどうするか。私の経験から言うと、局所治療で最も体に優しいのが陽子線照射で、お勧めです」と話しました。近接していたり、複雑な形状だったりするがんの治療に適しています。形状も複雑なすい臓がんは、まさに陽子線が向いているというわけです。 菱川センター長は、兵庫県立粒子線医療センターの院長として2001年から陽子線と重粒子線の照射を両方手掛けた後、2010年に鹿児島県指宿市にある現在のセンターに赴任しています。 陽子線によるすい臓がんの治療は、兵庫県時代の2 0 09年2月に知人の医学部名誉教授から、すい臓がんが見つかって手術できないと相談を受け、照射してみたのが最初だそうです。これまでに指宿で約150人(2011年1月11日〜2015年12月10日現在)のすい臓がん患者さんが陽子線治療を受けています。 「粒子線治療を始めたばかりの時には機械がすべての治療と思っていましたけれど、何年もやってきて、機械を使 陽子線照射とは放射線治療の一種で、水素イオン(陽子)を光速の60〜70%ほどまで加速して照射するものです。通った所に一様の影響を与えるX線と異なり、狙った部分の前後への影響は極めて小さくなります。また回転ガントリーという照射装置を使うことで、複雑な形状にも対応できます。このため重要な臓器に菱川良夫メディポリス国際陽子線治療センターセンター長22抗がん剤+陽子線


<< | < | > | >>