ロハス・メディカルvol.137(2017年2月号)

ロハス・メディカル2017年2月号です。睡眠と免疫の関係、水晶体とオートファジー、体幹トレーニング、血管の傷みが分かる検査、亀田総合病院事件、小松秀樹、がん対策基本法の狙い、オプジーボの光と影9など


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構造のお蔭で、眼に入ってきた光を散乱させないのです。 また、この細胞は一応生きてはいますが、普通の細胞とは大きく異なります。核もミトコンドリアもなく、外壁とクリスタリンというタンパク、そして水分から出来ているだけなのです。学校で学習したように、普通の細胞には核やミトコンドリアや小胞体などがありますよね。それらがないのです。もしそれらが全部含まれていたとしたら、眼に入ってきた光はそれぞれに当たって別々の屈折率によって散乱してしまいます。 そうならないために、水晶体が作られる過程において、核が抜け、ミトコンドリアや小胞体などの細胞小器官が破壊され、細胞の外壁とクリスタリン、水分だけが残るようプログラムが働くようになっているのです。 さらに、この水晶体は大変不思議なことに、外側から作られます。たとえるならば玉ねぎがよいでしょうか。玉ねぎの場合は、内側があって、その外側にどんどん出来ていきますが、水晶体の場合は反対です。外側から内側が作られていくのです。 まず、外側に新しい細胞が出来ます。そして水晶体の内側へと押されていきます。この時に、核が抜け余分な細胞小器官が破壊されるのです。そしてまた外側に新しい細胞が作られると、古い細胞がより内側へと押されていき、どんどん内側へ内側へと押し込めていくようになります。 生まれたばかりの時は、水晶体の中心部は硬くはないのですが、長年このようなことが繰り返されると、段々内側が窮屈になり、水分量が減って硬くなります。水晶体には血管も神経もなく、栄養は房水(角膜と水晶体の間の液)から得ているため、硬くなることで栄養も行き届かなくなります。そうなるとタンパクが変性し、規則正しい構造も歪んできてしまいます。これが加齢による白内障というわけです。 前述のオートファジーは、水晶体が外側の細胞から作られていく過程において関与していると考えられています。水晶体の透明性という品質を維持する仕組みがもっと分かれば、白内障の治療にも役立つことでしょう。 しかし今はまだ研究の途中です。そのため、いくら健康に気をつけていても、長生きすると水晶体の透明さが失われる方が先になるでしょう。内側へ内側へと作られていく関係上、内側で劣化するのを自分では止めることはできません。それを十分に認識して、眼に入ってくる紫外線量を減らしてタンパクのダメージを防ぎ、タンパクの変性を抑制する抗酸化作用の働きが落ちないよう留意するなど、自分のできる範囲で日頃から眼をケアするよう心掛けたいものです。LOHASMEDICALVIEW毎回、本文と関係のある本をご紹介していきます。ビッセン‐宮島弘子著法研 2013年水島昇著 PHP研究所 2011年もっと知りたい方にスーパー図解白内障・緑内障いつまでもクッキリ見るための最新治療細胞が自分を食べるオートファジーの謎5細胞は外から内へ


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