ロハス・メディカルvol.138(2017年3月号)

ロハス・メディカル2017年3月号です。リン酸探検隊は本丸の練り物に、体幹トレーニング、長生きを喜ぶ日本へ戻ろう、女性に増える糖尿病、摂るべし新鮮な魚油、主治医との話し方、抗生物質って何?、梅村聡と小松秀樹、都会の公園にも森林浴効果、点眼は間隔と順番が大事など。


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かかりつけ歯科医を見つけ、一緒に取り組むのは当然の選択になります。 多くの人が歯や口を健康にすることで、無駄な医療費が減って国民皆保険の延命につながるのでないかという期待もあり、既に世の中に充満している歯科医療への不満を払拭し、良い関係性へと変えていくことが必要です。 ただ難しいのは、患者が必ずしも正しい知識を持っているとは限らないことから、歯科医側から丁寧な情報発信と説明が必要になることです。一方で、歯科医の立場になれば、ただでさえ忙しいのに、診療報酬も発生しない説明や情報発信に割ける労力には限界があることでしょう。 これ実は、11年半前『ロハス・メディカル』が創刊するに至った医療現場の状況と、ほぼ同じです。 当時、知り合いの医師から創刊を頼まれた理由が、「患者とギスギスして困っている。説明すれば分かってもらえるけれど、そんな暇はない。診療待ちの時間に読めて、誤解を解いてもらえるような冊子がほしい」だったのです。 そんな所にニーズがあるのだろうかと半信半疑ながら、創刊号に「患者と医師をつなぐ」と大書き(前頁小さな写真)して始めた『ロハス・メディカル』は、医療情報を平易に正確に説明し続けたことで、医師を中心とする医療従事者の圧倒的な支持をいただき、口コミで広がって、医療機関に対して配置依頼をしていないにもかかわらず、創刊時の首都圏29基幹病院から首都圏・近畿圏・福岡圏の280基幹病院へと広がって現在に至ります。創刊時の医療と同じ状況LOHASMEDICALVIEW 今では医療現場を取り巻く状況も随分と変わり、社会や患者と広く直接コンタクトするような医師も増え、『ロハス・メディカル』が果たさねばならない役割は減ってきたかなと考えていたところでした。 しかし冒頭に書いたように、歯科医療を取り巻く状況は、まるで医療の10年前と同じ、あるいはもっとヒドイのかもしれません。 繰り返しになりますが、多くの人が歯や口を健康にすることで、無駄な医療費が減って国民皆保険の延命につながる可能性があります。現在存在する歯科医と患者の間のギスギスを緩和することで、その方向へと世の中を進めてみたいと考えています。良いかかりつけ歯科医と二人三脚できる社会を!26


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