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コレステロールコレステロール中性脂肪中性脂肪腎臓から尿と一緒に排泄脂肪分解脂肪分解VLDLLDLHDL小型HDL小型LDL(悪玉コレステロール)(善玉コレステロール)脂肪を多く蓄えた肝臓粥状動脈硬化を形成脂肪酸脂肪酸123 その間、老廃物などにさらされ酸化が進みます。しかもごく小さいため、血管壁(血管内皮)の隙間に入り込みやすいのです。そこで、掃除役の白血球(マクロファージ)がどんどん呑み込むうち、身動きが取れなくなって死にます。これが粥状動脈硬化です。 血中の中性脂肪が多いと小型LDLが出来やすいのは、なぜでしょうか。東京医科歯科大学の吉田雅幸教授によると、以下のようなメカニズムです。 血中の脂質には大きく分けて、主に細胞膜やホルモンの材料となるコレステロールと主にエネルギー源となる中性脂肪の2種類あります。このうちコレステロールは、単独で血中に溶け込むことができず、タンパク質の入れ物で運ばれます。肝臓から全身の細胞へ必要なコレステロールを運搬する行きの便がLDL、余ったものを回収する帰りの便がHDLです。LDLやHDLには、中性脂肪も同乗しますが、こちらは血中の酵素で分解されるため、普通どんどん抜けていきます。(図参照) 血中の中性脂肪値が高いと、LDLに乗る中性脂肪の割合も多くなります。つまり含まれるコレステロールが通常より少なくなります。このようなLDLから中性脂肪が抜けてしまうと僅かのコレステロールしか含まれない小型LDLになる、というわけです。出典:GINSBERGHN,JCLININVEST.2000AUG15;106(4):453–458.より編集部にて作成血中の中性脂肪値が高いと、中性脂肪を多く積んだVLDL(超低密度リポタンパク質)が肝臓から全身に向けて出荷される。積載オーバーの中性脂肪が、コレステロールと引き換えにLDLに積み換えられる。コレステロールを失ったLDLから、さらに中性脂肪が脂肪酸に分解されて抜け、小さくなる。(=小型LDL発生)身が少ない小型LDLの発生123