ロハス・メディカルvol.140(2017年5月号)

ロハス・メディカル2017年5月号です。「口から人生を豊かに」2回目は、お手入れの方法です。奈良夏樹氏voice。行動活性化療法。高齢者のポリファーマシー。梅村聡氏と井上清成氏の対談。新専門医って何?ほか。


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 寝たきりにならず健康寿命を延ばすことが、薬の目的のはずです。それなのに、「眠れない」を解消するため、かえって寝たきりのリスクを上げるのだとしたら本末転倒です。 今回紹介した書籍には、高齢者が布団に早く入り過ぎていることも指摘されています。生理現象として睡眠時間が少なくなっているのですから、もう少し遅めに布団に入ってもよいのではないかとのことです。睡眠を取ることばかり意識して、わざわざ布団に早く入る人がいますが、それでは夜中に覚醒するのは当たり前です。それなのに睡眠薬の量が足らないと勘違いをし、無駄に睡眠薬の種類や量を増やしています。まずは自分の生理現象に応じて生活リズムを再構築するところからスタートさせると、1種類でも不要な薬を減らせるかもしれません。もちろん自分勝手な判断で薬に優先順位はつけてはいけないので、医師や薬剤師にポリファーマシーの話題を持ち出して相談するとよいでしょう。 学校では、健康な状態における身体の仕組みを学習し、高齢になって消化管の機能や腎臓の機能が劣ってからの状態については学習しません。若い時に問題なく服薬できた薬でも、副作用が出てしまうかもしれないこと、なかなか気づきません。 また、物忘れが多くなってボーッとすることが増えたとしても、それが加齢による自然な現象なのかどうか、自分で判断できません。ある種の薬は、長く服用していると認知機能に影響が出てくることがあります。胃薬ですら、そういう類の物があるのです。例えば胃酸を抑える薬、習慣的に長期間服用していませんか? 今さら薬を1個ずつ調べるのも大変でしょう。そこで、自分を総合的かつ継続的に診てくれる「かかりつけ医」や「かかりつけ薬剤師」を作ること、ぜひともお勧めします。加齢と共に変わりゆく自分に応じたアドバイスをもらってください。 複数の医療機関を受診している場合は、同じカテゴリーのよく似た薬が重複することがあり、副作用の原因になることがあります。「かかりつけ」があると、重複分をチェックしてもらえます。また、漫然と医療を受けていると、新たな不調が現れる度に薬がプラスされ、服薬し始めたら、なかなかやめどきがありません。しかし本当は、年齢と副作用を考慮して、薬の種類をマイナスしていかなければなりません。「かかりつけ」は、あなたの今の生活習慣や生理現象を総合的に判断し、その都度優先順位をつけ、プラスやマイナスを判断し、1番よい服薬を教えてくれるはずです。 薬の効果を最大に、副作用を最小にしながら、歳をとっていきたいものです。LOHASMEDICALVIEW毎回、本文と関係のある本をご紹介していきます。長尾和宏著ブックマン社 2016年秋下雅弘著PHP研究所2014もっと知りたい方に薬は5種類まで中高年の賢い薬の飲み方薬のやめどき19「かかりつけ」を


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