情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。
今さら訊けない 食事とサプリの基礎知識
サプリメントを日本語にすると「栄養補助食品」となります。言葉通りに解釈すれば、偏った食事だけでは不足する栄養素を補ってあげるための食品です。皆さんの中には、肌をキレイにしたいとか眼を良くしたいといったように、もう少し積極的な意味を込めて摂取している方もいらっしゃるでしょうが、まずは不足を補う使い方から見ていきます。
この使い方では、普段の生活と食事との関係で足りない栄養素が何なのか知らないことには始まりません。ベストの栄養素バランスは別として、欠乏すると病的な症状の出る個々の物質については、かなり研究が進んでいます(下表参照)。そういう症状が出て、かつ日々の食生活に足りないものがあると思い当たったら試してみるとよいでしょう。
先ほどの食物の3つの役割ごとに、主な栄養素を紹介していきます。
エネルギー源となるのは、主に炭水化物(糖)と脂肪です。摂取する炭水化物と脂肪の比率は、カロリーで3:1程度、重量にして7:1程度になるのが望ましいとされています。漫然と食事をしていると、脂肪過剰もしくはエネルギー過剰になるかもしれません。
かといって、油を減らしすぎるのも考えものです。脂肪の部品である脂肪酸にもいくつかの種類があり、特にリノール酸、αリノレン酸、アラキドン酸などの必須脂肪酸をはじめ、EPA、DHAのような多価不飽和脂肪酸はきちんと取る必要があるとされています。これは脂肪酸が、エネルギーだけでなく体(主に細胞膜)の材料にもなるからです。
もう一つ体の材料として大量に使われるのが、たんぱく質です。たんぱく質も余ればエネルギーになります。ちなみに、たんぱく質とはアミノ酸がつながったものです。
アミノ酸や脂肪は、体内で糖や別のアミノ酸、脂肪酸から合成できるものと、体内で合成できず外から摂取が必要なものとがあります。摂取の必要なものを総称して「必須アミノ酸」「必須脂肪酸」といいます。「必須~」は、サプリメントの定番です。
このほか、カルシウムや鉄、亜鉛など様々なミネラル(無機元素)も体の材料になります。体の調節機能にも影響を与えます。サプリメントになっているものも多いですが、感覚だけでは過不足に気づきにくいかもしれません。
体の調節分野で主に働くのがビタミン類です。一口にビタミンといっても、それぞれは全くの別物ですから、ビタミンCの不足量をビタミンAで取るなどという考え方は間違っています。