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情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

こころの風邪、うつを生きる。

うつ病には、こんなタイプがあります。
7-1.6.JPG 一口に「うつ病」と言っても、症状や経過、効く薬の種類などが異なるいくつかのタイプがあります(図)。
 双極性うつ病の場合、躁状態の時に周囲の人も巻き込まれて大騒ぎになり、直接精神科を受診することも多いので、治療の開始が遅れる危険は少ないことになります。
 うつ症状だけが出る場合は、主に体の不調を訴えて内科などを受診する患者さんも多く、うつへの対処が遅れる可能性があります。いきなり精神科を受診するのは勇気がいることだとは思いますが、単なる体調不良と勘違いした場合、取り返しのつかないことが起きる恐れもあります。ひょっとしてと思うなら、どうぞ精神科を受診してください。
 そして、可能なら家族と一緒に受診することをお薦めします。診断にも治療にも、家族の理解と協力が欠かせないからです。
 診断の基準になるのは、通常であれば嬉しいはずの事にすら喜べないほど気分が重いか、それが週単位で続いていて妙に無気力でないか、です。これは後ほど改めて説明しますが、脳の中で気力を司る経路の信号伝達が弱くなっているためと考えられています。この時、患者さんの心の中では、「つらい」→「休みたい」→「休むと、仕事が溜まる」→「頑張るしかない」→「でも頑張れない」→「つらい」という風にぐるぐると考えが巡っています。
 このループの途中で「ええい、休んでしまえ」と、考えられる人は、発症しにくいことになりますし、「なぜこんなに怠け者になってしまったのか」と自分を責める人は、どんどん深刻になっていきます。仕事などの能率も落ちますので、周囲の人に申し訳ないという気持ちが強くなって、ついには自殺したくなってしまうわけです。この自殺願望については、後ほどもっと詳しく説明します。
 このように患者さんの内面の問題で症状が出るものの他に、他の身体疾患によって二次的に現れるものや、薬の副作用で現れるものもあります(表)。また、逆にうつ症状によって、疾患が重症化することもあります。
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なぜか眠りが浅い、こうなると要注意。 「うつ」になるのは、悲しい出来事があったからとかストレスが増えたからとは限りません。進学・就職・昇進・出産・引越し・荷下ろし(大変な仕事が終わる)など、本来なら喜びや希望につながりそうなことがきっかけになることも多いのです。
 そういう場合、最初はホッと気が抜けて疲れが出ただけと考えがちですが、夜グッスリ眠れない場合は、「うつ」である可能性が高いです。
 といっても、寝つきが悪いことが問題なのではなく、途中で何度も目が覚めたり、朝早く目が覚めてしまったりと、疲れているのに眠りが浅い場合が要注意。体が警報を発しているのだと考えて、早めに対処しましょう。

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