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情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

寒さがしみます。関節痛

関節の痛みはなぜおこる?

 私たちの身体には、ひじ、手首、足首、指、肩、あご、股など、約140もの関節があります。それぞれの部位ごとに関節の大きさや形は少しずつ異なりますが、いずれも骨と骨のつなぎ目として、動くこと(可動性)と支えること(支持性)という大切な働きを持っています。
29-1.1.JPG 今回はひざの構造を見ながら、痛みが出ているときに関節はどういう状態になっているのか確認していきましょう。
 ひざは、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)が接する部分にあります。その骨と骨の連結器の役目をしているのがひざ関節。そのすり合わせ部分で骨を覆っているのが関節軟骨で、骨と骨がぶつからないようにクッションの役割を果たしています。成分は60%が水分。残りはコラーゲンなどのタンパク質、そして軟骨細胞から構成されています。その厚さわずか4ミリ。しかし、関節に衝撃が加わると水分を出して形を変え、負担を分散してくれるとても大事な組織です。これをすっぽり包んでいるのが関節包で、関節液という潤滑油を分泌する滑膜があります。そのほか、靭帯や筋肉、神経、血管などで関節全体が構成されます。
 さて、関節軟骨には神経が通っていないので、関節そのものは痛みません。しかし関節の周囲にはたくさんの神経が通っていて、少しの異常でも敏感に痛みとして感じるのです。痛みが生じる場合、おおまかに、次のようなケースがあります。


●関節軟骨がすり減ったり消失して、骨どうしがこすれ合う。変形性関節症など。
●間接軟骨のすぐ下にある骨で異常が起こる。大腿骨顆骨壊死など。
●関節包が引っ張られ破れたりする。ねんざなど。
●滑膜が炎症を起こして腫れる。関節リウマチなど。
●靭帯が引き伸ばされる。切れることも。ねんざ他。

 これらはみな、何らかの原因で、可動性と支持性という関節の基本的な働きに障害が起き、痛みが発生するものです。また、関節に細菌が入り込んで炎症が起きたり(化膿性関節炎)、炎症をひき起こす物質が関節にたまって痛みが生じることもあります(痛風)。原因が複数重なることもめずらしくありませんし、一方、発症原因が不明な関節包の炎症(四十肩・五十肩)もあります。
 なかでも、ひざの関節は全身の体重を支えるため障害も起きやすく、さまざまな原因で痛みを感じる人が多いところ。実際、日常的にひざに痛みをかかえる方の割合は、60歳以上の方の約4割。自覚がなくても検査でひざに何らかの異常が認められる人を含めれば、8割に上るといわれます。次頁からは、ひざ痛を引き起こす「ひざ3大病」、変形性膝関節症、関節リウマチ、半月板損傷を見ていくことにしましょう。

寒さと天気と関節痛  寒い季節は関節の痛みの悪化を訴える人が多くなります。これは寒さのために血流が悪くなることが一因。まずは関節を冷やさないことが肝心です。また、雨の日に痛みが強まるのもよくあること。これは、雨降りの前後の気圧のアップダウンと湿度の上昇が原因。それらによって自覚されない自律神経失調やむくみ、血行の悪化が起こり、関節痛を引き起こすようです。そんな日はお風呂に入って関節をあたため、睡眠を十分にとるよう心がけてみてください。

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