誌面アーカイブ

情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

ドキッ! もしかして不整脈?

こんな状態のことです。

 前項で、脈の状態が正常と違っているのが不整脈だと述べました。正常な脈とは、その拍動間隔と強さが一定になっているものを指します。
 引っ繰り返すと、拍動間隔が一定でないものはすべて不整脈として括られ、その中に色々な種類があるわけです。順に説明します。
 まずは、拍動が異常に遅くなるもの。1分間に50回以下になると、徐脈と診断がつきます。ただし脈拍数は前述のように自律神経系の制御を受けていますので一日の中で変動し、夜寝ている時は一般に少なくなります。起きている時の脳は酸素を大量に消費するので、数秒以上、血流が途切れるようになると、ふうっとなったり、めまいがしたり、ひどい場合は意識がなくなって倒れたりします。脈の遅い状態が続くと、体を動かす時に息切れするようになります。
 大きく分けると、洞結節に異常があって心臓を収縮させるのに十分な電気刺激を作れなくなる「洞不全症候群」の場合と、心房まではちゃんと電気が伝わっているけれど房室結節周辺に異常があって心室に刺激が伝わらない「房室ブロック」の場合の二通りがあります。
 徐脈の逆に、安静にしているのに1分間に脈拍が100回を超えるようだと頻脈と診断されます。心臓の室内に十分に血液が入り込む前に送り出してしまうため、心臓が働いている割に体の方へは血液が来ていないことになります。この「体」には心臓自身も含まれるところがミソです。ドキドキと動悸がし、吐き気や冷や汗、意識が遠くなる症状が出てきます。
 洞結節でない別の所から刺激が出ていて変な時に鼓動を打つものは期外収縮と言います。ただし期外収縮は、誰にでもといってよいくらい起きていて、治療の必要がない場合も多いです。
 心房頻拍、心室頻拍という病的な頻脈の他に、ストレスなどで交感神経が緊張することによって、たまたま頻拍になることも多くあります。その場合は、気持ちを落ち着かせるか、大丈夫と自分に言い聞かせることが必要です。動悸がするので心配になって、ますます動悸を呼ぶという状態になっていないか見極めてください。
 症状の出る時は、脈の飛ぶ感じや、胸部の不快感、きゅっとする胸の痛みとして感じます。この時の痛みは胸の狭い範囲で起こり、数十秒以内でおさまるのが特徴です。冠動脈の血流が滞って起きる狭心症や心筋梗塞の痛みはもっと長く続きます。
 最後に、心臓の筋肉がてんでバラバラに動く細動というものがあります。心室細動は深刻で、血液を送り出せず、心臓が止まったと同じことになり、突然死を引き起こします。期外収縮の中には、繰り返しているうちに細動へと移行するものもあります。ただし、心房細動から心室細動へと移行することはありません。
 次項では、怖い不整脈の特徴を述べます。

気のせいで脈が早くなったら  前述のように、脈拍は自律神経の制御下にあり、副交感神経が働くと脈がゆっくりになります。普通、自律神経は意識しても制御できませんが、迷走神経では運動神経と副交感神経が同居しているため、迷走神経を刺激する一定の動作をすること脈をゆっくり抑えることができます。  具体的には、深呼吸した後で、息を止め、息をこらえたまま、お腹にグッと力を入れます。この方法を「バルサルバ手技」と言います。

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