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体からの定期連絡 便が変だったら


下痢の時 体内で起きていること。

 ここからは下痢と便秘を説明していきます。まずは下痢です。
 便が、水のような状態になり、その量と回数も増えることを言います。量や回数は、食生活や体質によって個人差があります。水分の割合が60〜90%程度で形を保っている限り、下痢とは見なされません。便から十分な水分が吸収されず、割合として概ね90%を超えてくると水のような下痢便になります。しばしばガスが発生しておならが出やすくなったり、お腹が痙攣したりします。吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
 さて下痢の時、体では何が起きているのでしょうか。
 便中の水分が過剰になるのは、便が消化管を通過するのが速すぎる、便中の物質が大腸の水分吸収を妨げる、腸から逆に水分が分泌されるなどの異常が起きているためと考えられます。順に説明します。
 便が正常な硬さとなるには、ある程度の時間は大腸にとどまっている必要があり、それより速く通過すると水様性便となります。逆に、あまりにも遅い場合は便秘につながります。その通過スピードは、腸管の蠕動運動の活発さによります。運動が活発だと速く、不活発だと遅くなります。速すぎても遅すぎても困ります。医療行為や薬の中には、大腸の通過スピードに影響を与えるものが多くあります。精神的ストレスも影響を与えます。酸性の食品は腸の活動を促す傾向があり、特定の食品で常に下痢を起こすような人もいます。この「速すぎ」タイプの下痢の対処法は、最後の項の過敏性腸症候群と同じです。
 腸内の物質が水分吸収を妨げて起きるものは、浸透圧性の下痢と呼ばれます。大きすぎて大腸壁を通れず便の中に残った物質が、浸透圧の関係で便中に水分を引き留めます。一部の果物や豆類、ある種の人工甘味料などにこうした物質が含まれます。こうした物質を食べたり飲んだりするのをやめると、すぐ下痢も治まります。
 消化管内で出血した場合も、血液が浸透圧性物質として働き、黒色のタール便になります。腸内細菌の過剰繁殖や、普段と異なる細菌の繁殖も浸透圧性下痢の原因となります。抗生物質を服用すると、腸内の正常な細菌叢が破壊されるため浸透圧性下痢の原因となります。アメーバなどの寄生虫感染症も原因です。
 水分を吸収すべき腸が逆に水分を出して起きるのは、分泌性下痢と呼ばれます。コレラなどの細菌や、ある種のウイルス、寄生虫に感染すると、その産生毒素によって、この分泌が起こります。
 大腸の粘膜が炎症を起こして、潰瘍を形成したり充血したりして、タンパク質、血液、粘液、その他の体液を分泌する時も、便の量と水分量が増えます。潰瘍性大腸炎、クローン病、結核、がん、ポリープなど、さまざまな病気が原因で起こります。
 ここまで見てきたものは、だいたい原因があるものなので、それを取り除くことが治療になります。ただし大量の体液と電解質が失われることから血圧が低下し、失神、不整脈やその他の重症の障害を起こすような「脱水症状」になっている場合は、原因を取り除くのと同時に、対症療法も必要です。吐き気や嘔吐がない場合には、スポーツ飲料を飲むと良いでしょう。飲めないようなら、水分と塩類を点滴する必要があります。

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