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体からの定期連絡 便が変だったら


便秘の対処法 過敏性腸症候群にも

 腸の働きの異常を何とかする必要があるのは、便秘と過敏性腸症候群と共通です。便宜上、最近悩む人の急速に増えてきた後者から説明しいます。
 過敏性腸症候群の場合、ストレスや食事、薬、ホルモンなど様々な刺激に敏感になり、消化管が異常な収縮発作を何度も繰り返します。苦痛は大きいのに、診察しても異常はほとんど見つかりません。発作が起きると、通常は下痢になります。下痢と下痢の間に便秘が起こることもあります。
 精神的なストレスにさらされたり、感情の変化があると、発作を起こしやすいと知られています。また、急いで食べたり、食べすぎたりで起こることもあります。眠っている時に発作が起きる人は滅多におらず、ここにも心の関与がうかがわれます。
 発作を起こす特定の食品やストレス源が突き止められた場合は、その原因を避けるようにします。環境より心の側に原因がありそうな場合は、その治療を行います。
 生活改善も効果があります。具体的には、適度な運動、バランスのよい食事で、腸の働きを健全な状態に保つようにします。
 消化管の働きを遅くしたり調節したりする薬を使うこともあります。下痢が耐えられない場合は、下痢止め薬を適宜使います。
 この辺りまで、病気由来でない便秘と対処法は共通です。便秘の場合は運動に加えて、野菜や果物など食物繊維の多い食事、十分な水分摂取も心がけることが大切になります。
 便秘の際に多くの人が頼る下剤は、その種類を理解し、状態や体質に合ったものを使うなら役に立ちます。漢方薬の得意分野でもあります。
 便の量を増やす働きのある膨張性下剤は、ゆっくりと穏やかに作用し、定期的な便通を促進するためのものとして最も安全に使用できます。最初は少量服用し、便通が規則的になるまで、徐々に用量を増加させます。ただし十分な水分摂取をお忘れなく。便量が増えると腸の自然収縮が促され、便が軟らかくなり腸内を通過しやすくなります。
 便軟化剤は、便が蓄える水分の量を増加させます。便の量も幾分増加させるため、大腸の自然収縮を促し、この点でも排便を容易にします。たとえば痔のある人や最近手術を受けた人など、排便時の力みを避けなければならない人に最適です。
 浸透圧性下剤は、大腸に大量の水分を引きこむことで、便を軟らかくします。過剰な水分は大腸壁を拡張させ、収縮を刺激します。この下剤の成分はほとんど吸収されない塩類や糖類です。腎臓病や心不全のある人には有害なことがあります。
 刺激性下剤は、大腸壁を直接刺激して収縮させ、便を移動させます。口から飲むと腹部痙攣を起こすこともよくあるため、座薬としても用いられます。長期使用を続けると、大腸がその働きを下剤に依存する腸弛緩症候群を起こします。刺激性下剤による便秘の治療は短期間にとどめるべきです。
 どのタイプを用いるのか素人判断せず、必ず医師・薬剤師に相談しましょう。

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