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情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

気づいていますか? 老人性難聴

「言葉の聞き分け能力」が落ちていませんか?

 自分ではなかなか気づきにくい聴力の衰え。年をとるにつれ、徐々に「言葉を聞き分ける」ことが難しくなっていくのが老人性難聴の特徴です。つまり、話している相手が何を言っているのか、声は聞こえているはずなのにわからない、という状況。まずは心当たりがないか、下の表でチェックしてみましょう。当てはまるものが多ければ要注意です。
19-1.1.JPG ただ、老人性難聴と同様に、「言葉を聞き分ける」ことが難しくなる難聴の代表的なものには、ほかに突発性難聴と騒音性難聴があります。これはすべて、耳から入ってきた音の通り道の同じような部分には障害が起きているのですが、それを引き起こしている原因が異なります。突発性難聴は、ある日突然に片方の耳が聞こえなくなってしまう、しかも原因は不明、というのも(コラム参照)。騒音性難聴は、突然の大きな音や長時間続く騒音で通常両耳に障害が生じ、聞こえが低下してしまうものです。
 どこにどんな障害が起きているのかは次項で詳しく見ることにして、ここでは「言葉が聞き分けづらい」という状況をもう少しご説明します。
 老人性難聴で「聞こえているのに何を言っているかわからない」場合、大きく分けて2つの要素が絡んでいます。高い音から聞こえにくくなること、そして、聞こえる音が明瞭でなくなることです。
 高い音から聞こえなくなっていくことに加え、高周波数の音から聞こえづらくなっていく、ということも意味します。「高周波数の音」なんて聞き慣れない表現だと思いますが、要するに、サ行やタ行の音がその代表格。何が起こるかというと、例えば「タカイ」と言ったのが「アカイ」と聞こえてしまったりするのです。他にラ行、ダ行、ガ行、バ行でも聞き違いが起こりやすく、反対に、低周波数の最たるものである母音(アイウエオ)ではめったにみられません。
 明瞭でなくなるというのはまず、音と音の区切りがわかりにくくなること。そのため早口で話されるとスピードについてゆけず、何度も聞き返したりします。また、微妙な音の質の違いもとらえきれなくなります。
 さらにわずらわしいのは、大きな音がより大きく響いてうるさく聞こえること。もともと私達の聴覚機能は、騒音の中でも相手の声を無意識のうちに選んで聞きとれるようできているのですが、それも困難になります。
 こうした症状が徐々に進行していくために、聞こえない一部の音がどのような音であったかも忘れてしまいます。そしていよいよコミュニケーションに支障が出てくるまで、気がつかないままに過ごしてしまうことが多いのです。

自分ですぐ気づく突発性難聴。  ある日突然、片耳が聞こえない。調べたけれども原因がわからない......。それが突発性難聴です。40~60代の人に多く、男女差はあまりありません。耳鳴りやめまいをともなうことも。そうなったら、すぐに専門医へかかることをおすすめします。実際にはメニエール病やウイルスによるものかもしれませんし、突発性難聴にしても治せる期間は限られていて、最初の2週間が勝負なのです。

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