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「わかっちゃいるけど、やめられない」? 依存症

現代社会の抱える病、つきあいは一生続きます。

 お気づきかと思いますが、依存症の場合は「治った」とか「治癒」という言葉は使わず、「回復」と表現します。というのも、表面的におさまったようでも内心の欲求はなくならないため。少し良くなっても誘惑に負けてふりだしに、ということを繰り返し、本人も家族も、何年にもわたる厳しい闘いになります。「ほしい気持ちは一生続く」と言っている経験者も。
 また、アルコールにしても、その他の薬物にしても、依存症とされる人の層は近年、広がっているといわれます。若者や定年退職者、そして女性の増加も目立つとか。
 その理由には、社会が豊かになって経済的・時間的・空間的ゆとりができたこと、その一方で、情報化により対人関係とそれに際するセルフコントロールが複雑化し、その緊張状態から解放されたいという渇望が依存へと向かわせていることなど、いろいろな社会的背景がいわれています。こうした社会状況の生み出す「空虚さ」「自信のなさ」「人から何かしてもらいたい」という気持ちを埋めようとするところから、依存症が始まるというのです。そう考えると、まさに現代社会の抱える病といえるでしょう。
 繰り返しになりますが、本人と家族、それぞれが自分たちの問題を自覚することが、回復へのカギといえそうです。


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