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情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

関節炎 リウマチって何?

サインは「朝のこわばり」。
42-1.2.JPG 関節リウマチの初期の症状の典型は、①朝、起きたとき手足がこわばった感じがし、動かしているうちに楽になる。②手足がズキズキ、チクチク痛んだり、しびれたりする。③左右複数の関節に腫れと痛みがある。④微熱、全身の疲労感、食欲不振などが続く、といったところです。
 なかでも①は「朝のこわばり」として知られ、目覚めたときに、特に両手指の関節がこわばって動かしにくくなり、1時間以上続きます。やがて痛みや腫れもみられるようになり、徐々にほかの関節にも炎症が出てくる、というパターンが多いようです。
 炎症が起こりやすい関節を上からみていくと、首、肩、ひじ、手首、手指(第二関節や付け根)、股関節、ひざ、足首、足指など。腫れてうずくような痛みが出ます。最初は左の手首、右の親指というようにバラバラに症状が出ますが、だんだん左右対称に症状が固定してきます。
 滑膜の炎症が慢性化するとまわりの軟骨や骨を少しずつ破壊していきますので、手や足の指の関節に関節リウマチ特有の変形が起こります(図)。次第に関節が動かしにくくなり、日常生活にも支障が出てきます。やっかいなことに、変形した関節は自然にもとに戻ることはありません。
 なお、精神的疲労、湿気、寒さ、気圧の低下なども影響するようです。天候がくずれる前に痛みやこわばりが強くなる、という話はよく聞かれます。(気分、湿気、気温、気圧、天気......まさに「気」のせいであって、単なる〝気のせい〟ではないのです!)
 また、④のような症状から、初期は風邪と勘違いされることも多いのですが、37度前後の微熱が続き、ふしぶしが痛んで体を動かすのが不自由に感じるなど、少しでも気になることがあったら早めに医師に相談してみてください。

関節リウマチは全身疾患です
42-1.3.JPG ところで、関節リウマチの"リウマチ"って、そもそもどこから来た言葉なのでしょうか? 実はこれ、ギリシャ語で「流れる」という意味があるそうです。この病気は関節の症状がもっとも顕著ながら、あわせて血管、心臓、肺、皮膚、筋肉、眼、耳など、体のいろいろな部分に障害が現れる全身疾患。つまり、あちこち、まるで痛みが体中を流れ動くような様子から名前がつけられたというわけです。
 合併症の代表例を表にまとめました。なかでも覚えておいていただきたいのが、肺線維症(間質性肺炎)と血管炎(悪性関節リウマチ)です。
 肺線維症はまれに急速に進行するケースがみられます。また、後述する抗リウマチ薬によってにより引き起こすことがあります。ものによっては千人に1人の割合で発症し、発見が遅れると命にかかわることもあるので、医師との連絡を密にする必要があります。
 血管炎は、ひどいと手足の指の組織が死んだり、心膜症や心筋梗塞、肺炎、腎障害などの症状が出て、生命にかかわる場合もあります。
 どんな合併症も早い段階で発見し、治療することが大事です。関節リウマチをお持ちの方は、ちょっとした症状の変化を見逃さず、定期的な診察と検査を受けることをおすすめします。

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