誌面アーカイブ

情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

グルグル、フワフワ、クラっ めまい


一番多いのは、内耳の異常。

47-1.1.JPG 実はめまいのうち、7割は内耳の障害によるものと言われています。その場合、多くは回転性めまいです。耳の構造を見ながら、何が起きているのかご説明します。
 耳は外側から外耳、中耳、内耳、そして聴神経へと分かれ、最も奥深くにある内耳に、平衡感覚を感じとる三半規管や前庭、音を感じとる蝸牛があります。これらはリンパ液で満たされ、お互いにつながり影響しあっています。
 三半規官は3本の管がそれぞれ直角に、つまり3次元方向にのびています。体が回転すると、リンパ液が管の中を流れるのを感じ、頭の傾きを感知します。また前庭器は耳石器ともいい、耳石とよばれる小さい石が、ゼラチン質の内壁に埋め込まれるように乗っています。それが頭の動きとともにずれ、重力・遠心力・加速度を感知します。
 というわけで、内耳のリンパ液が正常に流れないと、平衡感覚を正確に感知できません。その結果、めまいの症状が現れることになります。

代表例は、こんな病気

●良性発作性頭位めまい症(BPPV)
 めまい患者全体の20~40%程度がこの病気と言われます。起き上がるときや、頭が特定の位置にくるときに、数秒~数十秒めまいが起こります。前庭器の耳石がはがれ、三半規管に入り込んでリンパの流れを混乱させることが原因です。何度か繰り返した後、2~3週間で治るものから長くかかるものまであります。
●メニエール病
 数時間~1日以上続く激しい回転性めまいを、たびたび繰り返します。リンパ液が増え過ぎて蝸牛内がむくみ、三半規管に影響を与えることが原因といわれます。吐き気や嘔吐、しばしば難聴や耳鳴りも伴います。進行すると重度の難聴になることもあります。
●前庭神経炎
 激しい回転性めまいが、寒気や嘔吐を伴いつつ、2~3日続きます。難聴等はありません。体のバランスに関する情報を脳へ伝える前庭神経に炎症が起こり、正常に情報が伝わらなくなるためです。風邪の後に発症することが多く、ウイルス感染や血液の循環障害が原因と考えられます。めまいは数日から3週間程度で収まります。
●突発性難聴
 ある日突然、耳の聞こえが悪くなり、約半数の人で回転性めまいを起こします。原因は不明ですが、内耳のウイルス感染、内耳の血流障害などが考えられます。すぐに治療を始めることが大切で、それまでに2週間以上過ぎると聴力が戻りにくくなります。
●外リンパ瘻
 飛行機に乗ったときや水中に潜ったとき、鼻を強くかんだ後など、内耳に急激な圧力の変化が起きることで、脳を保護している液体が内耳の膜を破って中耳に漏れ、回転性めまいや難聴、流水音のような耳鳴り、耳がつまった感じなどが起きます。こうなると手術で治すことになります。
●中耳炎
 中耳の炎症が内耳にまで及ぶと、その働きが異常となり、めまいが起こります。回転性めまいも浮動性めまいもありえます。手術で治します。

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