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情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

メタボより怖い 慢性腎臓病CKD

何はともあれ食い止めよう

 CKDになっていない人が心がけるべき基本は、通常の生活習慣病予防と全く同じ。禁煙、適度な運動、食べ過ぎない、栄養バランスを心がける、規則正しい生活を送る、ストレスを溜めない、きちんと眠って疲れをためないといったことです。
 ただし10人に1人以上というCKD人口からいって、特にある程度以上の年齢の方は既にCKDになっていることも多いと思われます。その場合でもステージに応じた治療のできるのがCKDという概念のよいところ。何とか慢性腎不全や心血管疾患に至るのは避けましょう。何はともあれ生活改善が必要です。
 まずCKDに限らず、すべての生活習慣病対策として共通するのが禁煙です。喫煙すると腎臓を傷めます。加えて腎臓の悪い人は、ニコチンなどタバコ中の有害物質を体外へ出す働きも弱いので、それら有害物質の血中濃度が高まり、生活習慣病や心血管疾患への道も広がります。
 CKDの人が最も気をつけなければいけないのは高血圧。どうして悪いかは、もうお分かりですよね。血圧は医療機関で測るよりも、毎日の朝晩に自宅で測ることが大切です。自宅では医療機関で測るより低めに出るので、CKDの人は125/75mmHg未満(尿タンパク陽性の場合は 120/70mmHg未満)を目標にします。
 降圧薬を用いる場合は、ARBかACEⅠという種類の薬が最初に選ばれます。腎臓の保護作用もあります。両方や利尿薬、カルシウム拮抗薬など、いくつかの降圧薬が組み合わせて使われることも多くなっています。
 食塩を摂取すると、その塩分が血管中に水分を引っ張り込むので血圧が上がります。これを避けるため摂取量を1日6グラム未満に抑えることが目標になります。ただし、漫然と生活していると、あっという間にオーバーします。腎臓に負担をかけないため、たんぱく質の制限も必要です。(QOLをあまり下げないようにするには、コツが要ります。コラム参照)
 肥満だと、心臓に負担がかかるだけでなく、血管が壊れやすくなることも知られています。よって食べ過ぎは禁物ですし、適度な運動を行うことが全ての生活習慣病の進行を食い止めます。ただし、あまりに強度が高すぎるとかえって体に負担をかけるので、必ず医師と相談のうえ行なってください。また脱水は腎臓を傷めます。まだまだ暑い日が続きますので、必ず十分な水分摂取を忘れずに。
 糖尿病や脂質異常症と診断されている方は、生活改善だけでなく、きちんと服薬してHbA1cやLDLコレステロールの値をコントロールすることが大切です。
 腎臓が悪い場合、鎮痛剤や造影剤などに腎臓を壊すリスクがあるので、必要もないのに使うようなことは避けましょう。もちろん、腎臓のリスクと天秤にかけても使う価値のある場合はありますので、その辺の判断は医師と相談のうえ行なってください。
 また、これからの季節でバカにならないのは感染症で腎臓を傷めるリスクです。うがい・手洗いの励行といった予防と体力温存を心掛け、予防接種が可能な感染症については接種しておくことも、ご検討ください。

 食事の工夫  まず外食は塩分調節が利かないので極力避けましょう。練り製品や加工食品には大量の塩分が含まれています。また漬物と汁物は回数と量を減らしましょう。味噌汁は具だくさんにすると汁の量が減ります。麺類の汁を飲んではいけません。  それ以外のものに関しては、薄味に慣れ、素材そのものの味を楽しむようにしましょう。塩は食品の表面に振り掛けるだけで、味を感じられます。しょうゆやソースもかけずにつけて食べると塩分を減らせます。酸味、香辛料、薬味を上手に使えば塩がなくても味にバリエーションがついておいしく食べられます。  そして食べ過ぎないことも大切です。
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