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風邪とインフルエンザを追い払う10のヒント
とにかく抗生物質をもらえれば安心、と思っているあなた、大変危険です。
抗生物質が主に効くのは細菌(バクテリア)で、風邪の原因の8割から9割を占めるウイルスには効きません。細菌とウイルスと全然構造の違うものだということが分かれば、同じ薬が効きそうもないことは察しがつくはず。
もちろん疾患の原因が細菌であると確定していたり、細菌による二次感染を起こした場合には抗生物質が有効です。でも、そうでないのに「気休め」として使うのは絶対にやめるべきです。医師から抗生物質を処方された場合も、なぜ使うのか尋ねましょう。
これほど強く警告するのは、抗生物質を使えば使うほど、抗生物質の効かない耐性菌ができてしまうからです。既に、耐性菌ができて薬剤を更新しなければならなくなる前例は繰り返されていて、よく使われるセフェム系の抗生物質の場合、第四世代まで出ています。
この先もずっと、耐性菌の蔓延前に新しい抗生物質が開発される保証はありません。耐性菌が蔓延するということは、ペニシリンが発見されて感染症による死亡率が激減した20世紀はじめまで逆戻りするということです。
耐性菌を作るのは世の中全体の損失となるだけでなく、あなた自身にとっても大リスクです。本当に抗生物質が必要な時、例えばがんの化学療法では免疫力がガクンと落ちますが、その時に効く抗生物質がなかったら、素っ裸で火事の家に飛び込むようなもの。
「気休め」の抗生物質、絶対ダメです。