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なぜ? どうして? 花粉症の謎。
ニュースで花粉が飛んでいると言っていた、目がかゆい、鼻水も止まらない、これは花粉症に違いない、薬を買ってこなきゃ――。こんな人、ちょっと待ってください。
素人考えで決め付けず、早めに医療機関を受診した方がよくありませんか。というのは、原因が花粉症とは限らず、よかれと思ってやったことが逆効果になる可能性もあるからです。また本当に花粉症だったとしても、正しく対処したかどうかによってQOLが大きく左右されるのが、この病気の特徴です。
花粉症の症状なんて分かりきっていると思うかもしれません。でも、目のかゆみが症状として出てくる病気はほかにもあります。鼻にポリープができれば鼻づまりになりますし、くしゃみ・鼻水は風邪のせいだったということも考えられます。
症状を軽く済ませたいと思うなら、医療機関で花粉症であることを確定させましょう。受診すれば、アレルゲンが一体何かも分かります。
とはいえ、何科を受診したらよいか迷いますよね。これはあまり難しく考えずに、一番シンドイ部分の科を受診すれば良いようです。目がかゆいなら眼科へ、くしゃみ・鼻水だったら耳鼻科へ、ということになります。
花粉症であることが確定したら、医師に生活上の注意をよく聴きましょう。アレルゲンとなる花粉の飛散する時期によって、症状の悪化する時期の見当もつきます。前もってちょっと気をつけるだけで、随分と軽くやり過ごせる可能性があります。
清潔すぎるとアレルギーになる? IgE抗体を持つ、つまりアレルギーを起こしやすい体質になるかどうかは、乳児期の環境によって決まるという説が最近話題になっています。乳児期、細菌の出す毒素のエンドトキシン量が多い(つまり汚れ)家に住んでいると、アレルギーを発症する割合が少ないとの報告があり、どうやら清潔すぎると、アレルギー体質になるらしいです。この驚くような学説を「衛生仮説」と言います。
ただし、不潔が良いわけではありません。 昔のように不潔に戻れば良いというものではありません。日本の場合、1970年代以降に生まれた人は、それ以前に生まれ人に比べてアレルギーを起こしやすいことが知られています。でも70年代以降、乳児死亡率も急激に減りました。ちなみに、兄が2人以上いるとアレルギー体質になりにくいとの報告があります。少子化も、アレルギー児の増えた原因の一つなのかもしれませんね。
高齢になってからも発症することはある。 子ども時代にアレルギー体質ではなかったからといって、ずっと安泰とは限りません。長年、交通量の多い幹線道路沿いや都会に住んでいた人では、40~60歳で突然、花粉症や喘息を発症する例が多く見られます。これはディーゼルエンジンの微粒子などに晒されることによって、だんだん体の抗体生産量が高くなって、アレルギー体質へと変わっていくためと考えられています。
花粉の数は、はなこさんに訊け! アレルゲンから逃れるには情報が重要です。杉やヒノキの花粉がどれだけ飛んでいるのか、飛んできそうなのか、リアルタイムの情報を知りたかったら、環境省花粉観測サイト(愛称:はなこさん)へどうぞ。NPO法人「花粉情報協会」のサイトにも、お役立ち情報がいろいろ載っています。
マスクは必需品、こうやって選ぼう。 マスク選びのポイントは次の3つ。①顔に密着して横に漏れがない。横から花粉が入ったら意味がありません。様々な形や大きさのマスクが市販されています。自分にピッタリのマスクを探してください。②不織布。目が細かいので、花粉が布を通り抜けてくる危険性が低くなります。③使い捨て。毎日使っていると、花粉がくっついてしまいます。安いものでよいので毎日換えましょう。