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「高脂血症」あらため脂質異常症です。 よろしく。

そもそも脂質って何?
22-1.1.JPG 4月末に診断基準と病名が改定されるまで、血中に溶けている脂質量の異常に多い状態が続くことを「高脂血症」と呼んで病気として扱ってきました。
 「そうそう」と頷いている方、本当に分かっていますか。血中に溶けている脂質って、一体何のことでしょう。その量が多いとは? もし、血の中で油脂がギラギラしているとか、血がベトベトしているような映像が脳裏に浮かんだなら、分かっていない証拠です。基本的なところから、話を始めましょう。
22-1.4.JPG まず、脂質が体内で果たす役割は、細胞膜やホルモンなどの材料となるか、エネルギー源となるかです。材料として使われるのが「コレステロール」、エネルギーになるのが「中性脂肪(トリグリセライド)」。どちらも健康診断でおなじみの言葉ですね。
 果たす役割からも分かるように、コレステロールや中性脂肪が不足すると一大事です。そこで不足しないよう、肝臓や小腸などの供給源から、血流で体の隅々の組織まで運ばれています。
 ところで「水と油」の言葉があるように、脂質そのままでは血に溶けることができません。さて、どうしましょう。
 実は体内では、脂質を血流で運ぶための入れ物が用意されています。その入れ物は、水に溶ける「アポ蛋白」と「リン脂肪」(リン脂肪は脂質ですが水に溶けます)の膜で、この膜の皮にコレステロールと中性脂肪の餡を包み込んだお饅頭のようなものを「リポ蛋白」と言います。
 そして実は、巷で「悪玉コレステロール」とか「善玉コレステロール」とか言われているのは、この「リポ蛋白」の中身の違いに着目した分類なのです。
 読んだだけだとイメージしづらいと思いますので、物質どうしの相関関係は、図と表をご覧ください。それぞれが別の物なのではなく、循環バスのように3系統でぐるぐる回っている感じが分かっていただければ結構です。

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