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情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

ご縁があるかな? 先進治療

24-2-1.JPG「先進医療」という言葉から何を思い浮かべますか?
おそらく、あなたが今思い浮かべたものと、実物との間にはギャップがあります。
そして、そのギャップから、医療制度の課題も見えてきます。

監修/福井次矢 聖路加国際病院院長
    神田善伸 自治医科大学教授

混合診療もどき

 今回のテーマは、小泉構造改革に伴う政治的綱引き(最後のコラム参照)を経て成立した経緯があるために、そもそも話が単純ではありません。しかしそこをできる限り単純化して説明していくことにします。まず「先進医療」とは一体何か、からです。
 一般に先進医療と言えば、新しい薬や器具もしくは新しい方法を用いた治療や検査など、先進的な医療行為を指すと思いますよね。しかし、実際の制度としての「先進医療」は必ずしもそうとは限らず、以下二つの大前提を持ったものなのです。
 ①代金が健康保険から支払われない(自費診療)②保険診療と同時に同一機関で受けることができる。
 「それって『混合診療』(コラム参照、vol.29参照)じゃないの?」と思った方もいらっしゃることと思います。はい、その通りです。混合診療は原則として禁止されていますが、いくつか例外的に認められているものがあり(下表参照)、その中で保険適用を認めるかどうか検討段階のものを「先進医療」と呼ぶのです。
24-2.2.JPG 野球に例えると、保険診療を大リーグとするなら、保険適用というメジャー昇格をめざして「我こそは!」というものが集まるマイナーリーグこそ「先進医療」なのです。ただし一度昇格してしまえば、まずマイナー落ちしないところは大リーグと違います。また、アマチュアからマイナーリーグを経ずに即メジャー入りするような保険の認められ方もあり、以前はそちらの方がむしろ主流でした。
 話を戻しますと、先進医療は07年7月現在で117項目あります。「抗がん剤の感受性試験」(事前に抗がん剤が効くか調べる)とか「固形がんに対する重粒子線治療」(ピンポイントの放射線照射治療)のように、いかにも日進月歩の近未来医療を想起させるものから、「インプラント義歯」のように、何年も前からおなじみのものまで幅広く含まれています(詳細は、厚生労働省のサイト参照)。
 必ずしも新しく先進的なものとは限らないわけです。マイナーリーグに、元巨人の桑田投手が所属していたことと少し似ています。
 「先進」と名前がついているのは、06年途中まで「高度先進医療」という文字通り先進的なものだけを扱う括りがあって、その適用範囲を拡大するように高度先進医療を吸収した歴史が影響しています。

混合診療とは。 24-2.1.JPG   保険が適用される医療行為と適用外の医療行為を同時に同じ医療機関で実施して、保険適用部分に関して健康保険給付を受けること(図参照)を指します。  上表の例外を除いて禁じられており、このような組み合わせの医療を行った場合には、適用外の医療行為に関して費用請求しない(該当部を医療機関が負担する)か、全額を受診者の負担(自費診療)にするかしかありません。  「患者の選択肢を狭める」と経済界などから意見が出て、いったん解禁されそうになりました(最後のコラム参照)が、「貧富によって受けられる医療に差が出て不公平だ」との日本医師会などの巻き返しで、とりあえず今の形になっています。  いずれ特集する予定です(vol.29)。

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